日刊ニュース

2016.04.04 のニュース

卸価格はリセットされるのか

2016年度がスタートした。今年度は元売再編に目を取られがちだが、それに並ぶ大きなテーマが卸価格のあり方である。大きく変わりだすと予想され、販売業界も対応していくことが求められる。
 足元のガソリン卸価格をみても、4月第1週に入り元売仕切りの大幅値上げがアナウンスされている。先週25日に確定した先物・東商取4月納会価格は東京バージで93.1円、中京ローリーで92.1円だった。これに対して、同時期の陸上玉は88.9円水準で推移し、先物に比べ4~5円程度も割安だった。陸上玉と連動性の高い系列仕切りも3月末で、いわゆるブランド料抜きだと90円前後にとどまるとみられ、先物に届かない水準にある。さらに輸入玉は97円水準で、陸上玉は大幅に割安、国内陸上玉の独歩安は際立っている。 この値差を解消するため、陸上玉などが4月に入って反発することは十分に予測されたことだ。価格メカニズムという言葉があるが、国内市場において本来それが機能していれば、こうした動きが発生することが必然となる。先物高の中、精製元売は商社などを通じて国内に安い玉を出すより、先物市場に「売」を立てればより収益性を高めることができるし、市場機能も正常化していくことになる。
 精製過剰の指摘もあるが、現在のガソリン在庫は前年比でみてもそれほどの余剰とは言い難いし、今月以降は製油所定修もありタイト感すら漂う。陸上玉は、少なくても先物水準までは上昇する可能性が高い。逆にそうならないと、国内は価格メカニズムも需給も関係ない無秩序状態といえる。
 一方で、気になるのが原油価格の上昇である。長く下落基調が続いてきたが、今年度は多くの専門家が徐々に原油価格は上昇すると予測しているする。2月にバレル30㌦水準だったWTI原油は、直近は40㌦水準で揺れ動いている。
 原油がコンタンゴ(先高)へと潮目を変えつつある中、無秩序な市場が放置されるとどうなるのか。精販ともにコスト転嫁ができず、塗炭の苦しむを味わう姿が目に浮かぶ。小売市場までしっかり連動した秩序ある価格メカニズムが起動することの重要性は高まっている。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE