日刊ニュース

2016.08.09 のニュース

1円死守で臨む夏商戦本番

SS店頭ではガソリン需要の最盛期を迎えている。地域事情や個別事情などで温度差はあるのだろうが、全般的に梅雨前からの高温が加わって、好調な内需につながっているという。こうした天候要因とともに、今期の夏商戦には、もう1つ強い追い風が吹いている。原油安と円高に伴い、7月としては2004年以来、12年ぶりのガソリン安が生じていることだ。
 ガソリン小売価格の全国平均は122円(消費税込み)で、最近の安値レベルだった前年よりも、さらに20円安。過去2番目に高かった前々年比では、実に47円安という水準にある。
 ガソリン安は確実に内需のプラス要因に計算できる。前年に比べ27円安というガソリン小売価格が出現した前年7~8月のガソリン内需累計は、前年比3・7%増を記録している。低燃費車の普及を見据えると、平時なら2%減レベルが見通されていた中での販売増は、紛れもなく相対的に値ごろ感が出て、お客様の節約指向が薄まったことが要因だろう。
 ただし、この内需増という追い風を確実に自らの収益アップ結び付けられるかどうかは、経営者自らの経営判断に拠るところが大である。わずか4%に満たない販売増は、ほんの1円のガソリン粗利減によって、そのすべてが吹き飛ぶ。ほんの1円の粗利減によって、出血する事態を招く。
 統合集約を見据えた元売系列内や商圏内での潜在的・相対的な地位アップを狙ったかのような系列SSの廉売、ガソリン先安を見据えた先取り値下げ、異業種PBの拡販など、こうした業界内の不安要因には、とにかく我慢と耐久性を持って臨みたい。SS店頭を支える社員や家族スタッフが流す汗に報いるために、さらには自らの事業の継続性をより確実なものとする夢のために、決してSS採算性を毀損しないよう、心がけたい。
 石油組合や組織支部長は、公取委が「他の商品の供給による利益その他の資金を投入するのでなければ供給を継続することができないような低価格を設定するなど、不当に低い対価で供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある場合には、独占禁止法上問題(不当廉売)となる」と明文化したガソリンの取引に関するフォローアップ調査報告書を頼りに、不当廉売の申告を躊躇せず実行して、組合員SSをサポートしよう。1円死守が夏商戦本番の合言葉だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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