日刊ニュース

2016.12.20 のニュース

精販一体でSS網の維持を

 3月末SS数が前年同期に比べ1177ヵ所純減の3万2333ヵ所となった。事業者数も855社純減の1万5574社と、SS数も事業者数も減少傾向に歯止めがかからない状況だ。新設数(202ヵ所)を除く廃止数だけでみると1379ヵ所減と、1日3・8ヵ所のペースで減少しており、SSを取り巻く経営環境は依然厳しいことが浮き彫りとなった。
 SS数は94年度末の6万421ヵ所をピークに、21年連続で減少し続けている。この間、ピーク時の6割を超える3万7583ヵ所(新設を除く、新設数は9495ヵ所)ものSSが全国から姿を消してしまった。
 都道府県別に登録SS数がピークだった94年度末と比較すると、減少率が最も高いのは東京で6割超に達する。次いで大阪が57・2%と6割に迫るほか、神奈川54・7%、愛知51・7%、千葉51・2%、群馬50・5%、京都50・3%、福岡が50・2%など、東名阪の大都市を中心にSS数が半減している。
 石油業界はこの21年間、96年3月末の特定石油製品輸入暫定措置法(特石法)の廃止や、98年4月の有人セルフサービスの解禁などに代表される規制緩和・自由化を契機に、過当競争が激しさを増す一方、少子高齢化の進展、人口減少など社会構造の変化に加え、若者の車離れ、低燃費車の普及拡大など急速な環境の変化によって、ガソリンを中心とした石油製品の需要減が顕在化し、SSの経営状況が急速に悪化。中小零細業者が大勢を占める石油販売業者の撤退・廃業が増加し、地方では石油製品の安定供給に支障を来すSS過疎地問題が顕在化しつつあるほか、都市部においてもSS減少による空洞化が露呈している。
 このペースでSS減が進むと、2年後の17年度末には3万ヵ所割れとなる可能性が高く、災害時のエネルギー供給の“最後の砦”であるSSサプライチェーンの弱体化が進行し、国内の石油の安定供給に支障が出てくる危険性が強まっている。
 シェア争いに明け暮れ、再投資もままならない低マージンでの経営を続けているわけにはいかない。SSをこれ以上減らさないためにも、国・地方自治体を巻き込んで、精販が一体となって、国民生活・経済活動に不可欠な石油を消費者に確実に、そして安定的に供給する使命を担うSSの存続を真剣に考えていかなければならない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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