日刊ニュース

2016.12.27 のニュース

SSの人手不足対策で連携を

 SSの人手不足・人材確保が深刻化している。「求人誌に広告を掲載しても問い合わせすらない」「求人誌で応募してきた人を面接し採用したが、1ヵ月も経たずに辞めてしまった」などと悩む経営者が増えている。
 背景にあるのは、サービス業や小売業・建設業などでの慢性的な人手不足。様々な業種で人材の争奪戦に発展していることだ。この結果、時給の高騰などを招き、「苦労して採用したアルバイトが他に時給の良い仕事があると、すぐに辞めてしまう」という悪循環に陥っている。
 SSでも人手不足にただ手をこまねいているわけではない。「求人誌だけに頼らず、以前働いていた経験者に連絡を取ったり、勤務しているパート・アルバイトに友人や知人を紹介してもらったりと、できることはなんでもやっている」「定着率を高めるために、SSの業績に応じて、達成会と称する懇親会を開いて従業員の結束を高めている」「3ヵ月程度勤務したパート・アルバイトは定着率が高いので、3ヵ月勤務したら賞与を出すようにした」など人材確保や定着率を高めるために、様々な工夫を凝らす。
 全石連SS経営革新部会(出光泰典部会長)は11月に開いた会合で、人手不足解消・人材確保に向けた対応策のあり方について勉強した。この中で、シニア・主婦・外国人などの積極的な活用、登用の必要性などについて提案を受けた。
 一方で、「SSの3K(きつい・汚い・危険)イメージがなかなか払しょくできない」や、「過当競争に明け暮れ、満足な収益さえ確保できず、そのしわ寄せがSS現場で働く従業員に及んでいる」と指摘。「SSがきちんと利益が確保できていないために、給料も時給も上げられず、労働環境も改善できない。これではいつまで経ってもSSのイメージは良くならない」と訴えるなど、元売を巻き込み石油業界一体となって、人手不足対策を根本的に検討していく必要性を訴える声が高まっている。
 人手不足、人材確保がSS業界だけに限った問題ではないだけに、息の長い、地道な取り組みが求められる。個社の努力ではこの深刻な人手不足を解決することが困難になっている以上、組合の横の連携、そして元売の縦の連携を生かし、様々な成功事例やヒントを集め、全国のSSにフィートバックしていくことが当面の課題となってくるだろう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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