日刊ニュース

2017.01.17 のニュース

注視される外販玉のゆくえ

 2017年がいよいよ始まった。未曾有の元売再編が進む中、石油販売業界にとってこれまでになく大きな変革が始まる年になると予測される。その中で当面、注目されるものの1つにEMGの外販玉が今後どうなっていくかがある。
 今年1月1日でEMG外販の出し手だったEMGマーケティングは東燃ゼネラル石油に吸収合併され消滅した。そして、4月1日には東燃ゼネをJXホールディングスが吸収合併する格好で、巨大元売JXTGホールディングスが誕生する。新体制へと進む中、国内のスポット市場で大きな存在感を示してきたEMG外販玉が今後どう位置づけられるのかに関心が集まる。
 その中でも、製油所での蔵取りについての判断がどうなるのか。蔵取りに慎重なJXと、蔵取りも1つのビジネスとして割り切ってきた東燃ゼネでは、基本的な考え方に相違がある。外販玉については①縮小して次第に流通しなくなる②縮小しても一定量は流通するが極端な安値は出にくくなるなど、様々な見解が巷では交錯している。
 外販玉=業転玉であり、それが減少することに対して系列SSには歓迎する声がある。ただ、いまやその影響は外販玉を取り扱う商社などだけにとどまらない。外販玉がなくなればスポット市場は縮み、価格指標も消滅へと向かう。仮に外販玉が一定量は残っても、製品の流動性が低い市場になってしまえば、そこからは極めて不安定な価格指標が発信されることになる。つまりは第三者機関が評価した価格指標に準拠する市場連動型の系列仕切りには適さない市場環境が生まれることになる。
 昨年12月12日から、S&Pグローバルプラッツがガソリンの陸上価格指標の提供を始めた。同社が運営するプラッツウィンドウ(MOC)は可視性が高いうえ、現在は取引内容をみることができる。ちなみに12月をみると、取引の成約事例は神奈川市場に集中する。売り手は商社・特約店が占め、買い手は元売という構図だが、売り手に供給しているのは主に東燃ゼネ川崎工場だろうと想定される。ただ、こうした取引環境はJXTG誕生後も継続されていくのだろうか、疑問符がつく。そして、それは信頼性の高い陸上指標というものが国内市場に本当に根付くのかという困惑すらもたらす。元売再編によって巻き起こるであろう数々の影響を注視しなくてはならない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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