日刊ニュース

2010.12.08 のニュース

ガソリン 底値130円乗せ 原油急騰で再度の挑戦 ―仕切値上げ分と未達分を回収―

首都圏の販売業者は、ガソリン市況を底上げすることになり、ボトム130円乗せに再度挑戦する。原油価格の値上がりで仕切価格が値上がりするのと、今までの未達分を回収することになる。HCなどは120円割れの安値も散見されるが、街道沿いSSでは125~6円が中心値となっており、これらを130円台に乗せることにしている。また、石油情報センターの週動向調査(29日)では、132円50銭/Lとなり前週に比べて20銭の値上がりとなっているが、四捨五入では133円で1円の値上がりとなる。最近では、販売業者も、この調査価格の値上がりをみてユーザー転嫁に取り組む方向になっている。原油価格はWTIで89ドル/バーレルと90ドル台乗せの新しい価格帯に入る水準となってきた。そのため仕切価格は1~2円の値上げが必至の状況となってきており、販売業者はユーザー転嫁で足並みが揃いそうである。
 原油価格は10月から11月にかけて値上がり基調で推移したが、その為替が円高、原油価格の値下がり局面もあり、月次の仕切価格の改定でみると相殺され、ガソリンは小幅な値上がりとなっていた。原油価格の値上がりでコスト増となったが、為替が円高で推移したためコスト増は相殺されている。11月の仕切価格は、月内で値上げと値下げが繰り返されることで、結果的には、11月のガソリン仕切価格は横ばいとなった。
 一方、末端市況は徐々に下落しており、販売業者のマージンは減少している。
しかし、石油情報センターの週動向調査価格では、10~11月は平均で132円と横ばいで推移しており、首都圏の実勢市況は下落している。首都圏のHC、量販店では、120円割れが散見されている。この安価に同調して街道沿いSSでは120円台前半の看板価格も増加している。さらにプリペードカードは3円割引きの看板が増加するなど、価格競争は激化している。
 そのため12月商戦は、市況維持で対応する予定であったが、ここにきて原油価格が急騰してきたため、ユーザー転嫁に取り込むことに方針を転換することになった。12月は例年、増販を優先するため、ユーザー転嫁は難しく、市況維持が精一杯であるが、今年はガソリン値上げに取り組むことになる。
 原油価格が90ドル台で推移することになれば、新しい局面に入ることになり、ここ数日間の原油価格の動向が焦点となる。

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