日刊ニュース

2011.08.04 のニュース

6万の16年、セルフ12年の履歴

 年度末SS登録ペースで6万421ヵ所の最多を記録した1994年度。そこから2010年度末の3万8777カ所に至る2万1644ヵ所減少したSSの履歴を精査すると、既報の通り、この16年間で廃止累計か3万110ヵ所、新設累計が8466ヵ所で、差し引き2万1644ヵ所のSS減となった。
 77ヵ所の内、8466ヵ所は95年4月以降に市場に現れた新設SSであり、それ以前からのSSの残数は3万311ヵ所となる。95年3月に国内にあったSSの生存率は50%。残念ながら、これが16年間の厳しいSS淘汰の現実だ。
 95年6月に事後調整、価格表示、商標表示のあり方に言及し、SS経営の方向性として早期撤退を含めた4類型を示した石油流通ビジョン研の中間報告が示された。96年3月末には特石法が廃止され、石油製品価格はガソリン独歩高が修正され、国際化を踏まえた新価格体系に移行した。98年4月にはセルフが解禁された。これがこの間に断行されたSS経営に関わる規制緩和である。
 セルフの解禁は、21世紀のSS業界を象徴する異業種のSS業進出を後押しするとともに、量販モデルを通じてSS淘汰を加速させた。10年度末の3万8777SSの内訳は、フル3万328ヵ所に対してセルフ8449ヵ所。フル4SS弱に対してセルフ1SS強のバランスになる。セルフはガソリン月間平均250KL、フルは100KLという数量モデルを適用すると、ガソリン販売量の45%弱がセルフSSの領域となるまで、その版図は拡大の一途をたどっている。
 ところがビジョン研が示した4類型の中の量販モデルに相当するセルフSSといえども、ここのところ淘汰の埓外ではなくなってきている。
 解禁12年でセルフの廃止率は平均7.4%となる。量販PBが破綻した青森のセルフ撤退率は19%に達する。多い順に千葉、群馬、石川、三重など8県では10%を超える。
 この12年以内に、新規に大型設備投資を施したセルフSSを廃止に踏み切らざるを得なかった決断が、全国平均でセルフ14力所に付き1ヵ所、青森では5ヵ所に1ヵ所、8県では10力所に1ヵ所で行われ、産声を上げて12年以内に姿を消した。
 低粗利を競うSS経営のあり方か誤りであることを示唆している履歴である。

提供元:全国石油商業組合連合会
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