日刊ニュース

2010.09.07 のニュース

新規支援事業案の実現を

埋設してから40年、50年を経た地下タンクに、漏洩防止対策を義務付ける消防法の省令改正。この義務付けによって大きな費用負担が発生することから、全国の中小SS事業者からは「SS最大の危機」「経営が続けられるか不安」などの危機感や悲鳴が上がっている。
 このため業界を所管する経済産業省資源エネルギー庁は、SS事業者がこの規制強化に対応できるようにするため、「地下タンク漏洩防止規制対応推進事業」という新規事業の来年度の創設を提言し、これに要する費用として22億円の予算を要求した。新規事業の目的は「危険物漏洩防止措置などの義務が課されるSSを対象に、消防法上求められる措置に関する激変緩和措置として支援する」というもの。
 補助対象事業は①腐食のおそれの特に高い地下タンクについてSSが行う、内面補強(内面ライニング施工)、または外面腐食防止(電気防食システム設置)②腐食のおそれの高い地下タンクについてSSが行う、漏洩早期検知装画の設置(精密油面計設置)、で、これらの措置を講じるために係る費用の3分の2を補助する予定だ。
 消防法の規制強化案が示されて以降、全石油や油政連、全国の石油組合・油政連県連が各地で政治に訴えてきた。その要望が来年度の概算要求に反映されたのは大きな前進である。しかし、現時点では財務省への要求であって、これが認められたわけではない。
 8月末締め切りの概算要求は、今後、要望した省庁と財務省によって個別精査されたうえで絞り込まれ、12月末の政府予算案に反映される。後は、年明けの通常国会で審議し可決成立するというのが通常の流れである。ただ、昨年の政権交代以降、この仕組みが変わり、政治主導の名のもと事業仕分けなどのプロセスが行われるようになり、こうした次年度の新政策や予算案の行方が見通せなくなっている。
 いずれにしてもこの「地下タンク漏洩防止規制対応推進事業」は、わが業界にとって、特に埋設後前年前後、50年前後の地下タンクを所有している中小SS事業者にとって、重要かつ貴重な補助制度になるのは間違いない。
 そのために、引き続き地元の与党議員に対しこの規制強化による業界への影響を訴え、制度の実現を求めていくことが必要不可欠だ。

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