2013.05.07 のニュース
原油価格、値上がり傾向 円安、原油高でコスト増に~東商取先物は値上がりへ~
原油価格は、WTIが93㌦~94㌦/バーレル、ドバイが100㌦台に乗せてきた。東京商品取引所のガソリンの先物も74円/㍑、灯油が69円、原油が63円と、4月中旬に比べると4円~5円の値上がりとなっている。為替は97円~99円/㌦の円安で推移しており、コスト高に転じている。そのため4月の仕切価格の値下げから、再度、値上げムードに変わってきた。現在の原油価格の反発は一時的なものか様子をみることになるが、産油国に100㌦相場を維持する思惑が働いているとの見方もある。原油価格(ドバイ)の推移をみると、1月が108㌦、2月が111㌦、3月が106㌦、4月が102㌦と値下がりしており、中旬には98㌦まで下落したが、現在では100㌦を回復している。当面は100㌦前後の値動きが見込まれているが、為替が円安で推移しているため、コストは増加となっている。
ガソリンの仕切価格は4月下旬で値下げとなった。そのため末端市況は下落したが、ここにきて原油価格も値上がりしており、今後は値上げも予想される状況となってきた。東商取の先物は値上がりに転じており、原油価格次第では、さらに値上げとなりそうである。
原油価格の値上がりは、アメリカの株価の上昇、企業の業績回復、住宅販売などの経済指標の好転が押し上げているものである。
一方で、中国、インドの経済成長の鈍化、欧州の財政危機などの要因が指摘され、原油価格の値下がりの予想もあり、予断を許さない情勢である。また、シェールガス革命による増産で、ガス価格、原油価格の下落、中東の地政学リスクなど、今後の展望としては、値上がり、値下がり要因が交錯している。
そのため、販売業者も原油価格変動に対して、直ちに対応ができる体制を確立することが望まれる。仕切価格の値下げに際しては先取りして末端市況が値下げするが、値上げ時はユーザー転嫁が遅れるのが常である。このようなリスクを回避するために、近く予想される仕切価格の値上げに対する準備をしておくべきである。
ガソリン市況の安値は140円/㍑を割って137円~139円となっており、当面は、この状況で推移することになる。連休中は市況維持に努め、原油価格の動向を注視しつつ値上げのタイミングを待つ時期にある。大幅な増販は難しいが、好天気に恵まれそうであり、需要増が見込まれるため、前年並みの販売数量は確保できそうである。