日刊ニュース

2010.09.30 のニュース

臨時国会政治べースで本格審議 ―予算、税制、特別会計仕分けなど―

10月1日から臨時国会が開催される。菅改造内閣が発足、新体制で臨むことになる。焦点は景気対策を織り込んだ補正予算の編成となる。予算規模は4兆6000億円程度とされており、目的は円高対策、デフレからの脱却などが中心となる。今のところ石油対策関係は含まれていない。
 項目をみると新成長戦略の推進、雇用対策、子育て・医療、地域活性化、中小企業対策などが重点策としてあげられている。
 法案は前国会で廃案、継続審議となった郵政改革法、温暖化対策基本法、経産省からは外為法、独禁法の一部改正などが提案される。いずれにしても、参議院は野党が過半数を占めるねじれ国会であるため、厳しい状況となる。さらに、特別会計の事業仕分けは10月25日に行なわれる予定であり、来年度予算の編成、税制改正は12月末までとなっており、時間的にも厳しい日程となっている。
 特別会計の事業仕分けとなると、石油税を財源とした石特会計が対象となる。現行の石特会計は、一度、一般会計に組み入れられており、特別会計ではないが、この議論が通じることは難しく、特別会計ということで仕分けの対象となりそうである。今までも石油業界の予算に対して事業仕分けが行なわれたが、その対象事業は石特会計の予算である。石油の元売・精製、販売業者、石油開発の関係予算のほとんどが石特会計予算であるため、これの見直し、事業仕分けの対象にすることになると全面組替えとなる。
 そのため、石特会計はエネルギー対策の柱を支えていることから、大きく変わることはないとの楽観的な見方が大勢であるが、これも聞いてみないと分からない。
 さらに、尖閣諸島沖での衝突事件による日中間の対立、これに反応してか、東シナ海のガス田開発でも中国側が一方的に作業を開始しているのではないかとの観測もあり、難しい問題が出てきた。東シナ海のガス田の開発は友好の海として日中の共同で開発する計画で作業を進めていたものであり、中国側の出方で、日本からも反発も強まりそうである。完全な政治問題であり、民間では手が及ばない問題であるため両政府間の調整を待つことになる。
 石油業界の関係する問題としては、温暖化対策基本法が成立するかが否かが焦点となる。この法案と関連して環境税の創設が問題となる。
25%削減の中期計画も真水で何%であるのかも不明であり、これが決まらないと予算規模も確定しない。環境税の創設は農水省の農家への個別保証制度の財源とする案が出るなど環境の名を借りた財源確保ということになると無制限となる。以前あった森林整備の予算となれば、公共事業の復活となるため、環境税問題は、今後の慎重な審議が望まれる。
 環境税は経産省も石油石炭税の増税を打ち出しているが、事前に環境省との調整が重要となる。当然、財務省とも絡むが、ある程度の常識の範囲で決まるものとみられる。温暖化対策基本法が、修正なく、そのまま決まるのか、同時に排出量取引問題の方針法定によっては、今後の産業界の対応にも大きく影響する。産業界は反対しており、どこまで妥協する案がでるのかは今後の議論となる。

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