日刊ニュース

2014.04.17 のニュース

37年後を見据えたSS展望

 総人口は1億人を割り込み、現行の居住地域の約6割で半分以下、そのうち3分の一の地域では人が住まなくなる。全人口の4割が高齢者となる社会。新たな「国土のグランドデザイン」として、3月下旬に国交省がまとめた2050年の日本だ。既存の行政・地域区分にとらわれない広域的な発想のもと、「この間の発生確率が7割を超える」巨大地震の切迫感を踏まえつつ、大都市圏は、リニア中央新幹線が東名阪を結んだ「世界最大のスーパー・メガリージョン(貿易・交通・イノベーションの一大圏)形成」が、地方圏は、国土の細胞としての「小さな拠点」による生活支援単位など「コンパクト・シティー形成」が、それぞれ提唱されている。
 ガソリンスタンドは、地方圏の細胞である「小さな拠点」モデルの中に、金融・郵便、診療所、道の駅などとともに登場する。この「小さな拠点」モデルでは、かつてのスーパーや小学校は、既存設備を生かした保育園やデイサービスセンター、体験宿泊施設へ転用プランが示されているが、ガソリンスタンドはそのまま「小さな拠点」を支える必需施設として位置付けられている。
 13年度末から37年後を見据えているのだが、ここで示された未来の逆説的に1976年に遡ってみると、その時間軸が、より測りやすくなるだろう。当時は、ガソリン税が34・5円から43・1円に、軽油引取税が15円から19・5年に増税され、石油危機の教訓から石油備蓄法が施行され、ガソリン53・7円、C重油21・9円など、それからしばらく続くことになるガソリン独歩高の温床となった標準額が撤廃された。SS登録制度と指定地区、ガソリン品質確保を骨子とした揮発油販売業法が公布され、翌77年に施行された。
 このほど、今後のエネルギー政策の軸となるエネルギー基本計画が決定し、石油は「今後とも活用していく重要なエネルギー源」と位置付けられ、製油所からSSに至る供給網強靭化と経営基盤強化に向けた取り組みの必要性が提言された。じりじりと減少していく石油需要を前提とせざるを得ない中でも、SSはこれまで以上に地域と生活者に密着した必需業態が目指されることになる。ガスや電気と業を分かってきた垣根が低下し、多様な新エネルギーも開花する。37年後もガソリンスタンドでもあるSSを取り巻くであろう諸条件が数多く見えてきた。

提供元:全国石油商業組合連合会
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