日刊ニュース

2014.04.17 のニュース

減販でガソリンは下落気味も-需給締まり業転値上がりを見込む-

 ガソリン市況は軟化気味である。4月1日からの消費税の増税で5円/リットルを値上げしたため164円(石油情報センター調査価格)の高値となり、節約と仮需要の反動で減販となったため値下げして販売するSSが出てきた。地域格差もあり市況を維持している地区もあるが、価格競争が激しい街道沿いでは下落傾向をみせており、160円での攻防となっている。しかし、月末からのゴールデンウィークでの増販、高度化法による設備処理の実施で需給がタイトとなることから、業転の値上がり、マージン確保が期待されている。
 4月からの増税分の転嫁では販売業者の足並みが揃ったが、その後の減販で焦りが出たことになる。4月初旬での減販は予想通りであるが、これからどの程度需要が回復するのか、マージンが確保できる市況が形成されるかがポイントとなる。4月に入り、仕切価格は5日から1円の値上げ、12日からは据え置きとなっているため、本来ならば値上げ局面になるところであるが、逆に値下がりとなっているため、このまま経過すれば販売業者の負担となる。
 増税転嫁では一気に5円の値上げとなったため、ユーザー心理としては高値感が強まり、節約と安値を求める動きをみせているが、これに応えるかたちでSSでも値下げで対応するケースが出てきた。
 当初、街道沿いのSSでは目標であるボトム165円を確保したが、足元は162~163円となり、安値のセルフSSは160円を下回り158円程度で推移している。ここにきて、さらに1~2円の値下がりをみせている。
 増税を前にして3月では市況を底上げして、その後に4月1日から5円を転嫁したため、今までの未達分を一部回収したことになるが、ここで値下がりすると、利益を吐き出し再びマージン減となる。
 原油価格は、ロシアのウクライナへの介入などで武力衝突が心配され緊張感が高まっており、値上がり気味であるがその割には安定している。WTIとドバイは接近して104ドル/バーレル、ブレントは107ドル程度、為替は102円/ドル程度で推移している。コスト高は変わらないが、急騰してはいない。だが、ロシアからヨーロッパ向けのパイプラインが敷設されており、武力衝突となると原油、ガス価格の急騰が予想されるため、ロシア、欧州諸国も慎重な対応を見せている。
 ウクライナ情勢は、予断を許さないが、当面は国内市況の再構築がポイントとなる。とくに設備処理が進み需給タイト化が見込まれる。すでにガソリン在庫は176万キロリットルと180万キロリットルを下回る低水準であり、業転も値上がりしている。加えて設備処理が実施となっており、製油所の定期修理時期とも重なって、一段と需給が締まる状況となる。
 需給面では供給増の心配もなくなり、今後は適正マージンの確保が狙えるとの期待感が販売業者に強い。高度化法の施行により設備が廃棄されれば、供給過剰の解消により需給が適正化され、マージン確保が見込まれる。業転市況が値上がりすれば、自然に仕切価格との価格差が縮小されるため、業転問題も解消されることになる。この見通しのように推移することになるのか、連休がヤマ場となりそうである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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