2010.10.27 のニュース
灯油 需要期入り寸前 各社、増産体制に入る ―引き続き実需見合いの生産を―
石油製品は灯油を中心に、これから11~12月の需要期に入るため増産体制となる。重油の販売は増加が見込めず、ガソリン、灯油、ジェット燃料、軽油の販売増に期待しながら、各社は引き続き慎重な生産体制で臨む方向にある。灯油は天候次第であり、不確定な要因が強いため低在庫で臨む。同油種のジェット燃料は、羽田の国際線開設で増販、輸出増が期待される。
軽油は国内の販売は横ばいで推移しているが、海外市況が値上がりすれば輸出増は見込まれる。国内は景気が回復すれば、貨物輸送が増加して増販となるが、円高の進行で景気後退が心配されている。ガソリン販売は上期で微増も見込まれるが、今後も前年比で大幅な増販を見込むのは難しい。だが、今後の燃料油販売は需要期に入るため、今までに比べれば増加となる。今後は天候と景気動向に大きく影響されるため、供給増を遊けるには、引続き需要に見合った生産対応が求められる。
設備過剰であるが、上期は各社の減産対応で足並みが揃い、需給は安定して推移した。これから需要期に入るため、増産体制に入るが、引き続き需要に見合った生産が望まれている。
今までは販売も前年比で横ばい、製品輸出も好調であり、原油処理も小幅な減産で対応してきた。その結果、需給もタイトで推移、製品在庫は低水準となっている。石連週報(16日)によると灯油在庫は276万KLで前週比で16万KLの積み上げとなったが、前年比では47万KLの減となっている。
灯油は300万KLを割り込んでいるが、11月には300万KL台に乗せるものと見られ、徐々に積み増しを図ることにしている。供給増を避けることで、価格交渉を有利にすることを狙っている。
ガソリンは192万KLで前週に比べると5万KLの増となったが、前年比では17万KL低い。依然として200万KL割れが続いているため、業転市況は暗調で推移している。他油種も在庫は減少しており、需給はバランスを保っている。
A、C重油の増販は期待できないが、需要期にみるため、荷動きは活発化する。ポイントは灯油となるが、夏場の市況もガソリンに比べて大きく下落することなく維持されており、シーズン価格も安値が出回ることはないようだ。SSで目玉商品として安値で販売することがないよう適正価格での販売が望まれている。