2014.11.11 のニュース
厳しい上期石油事業決算マージン確保も大幅減販 原油急落、在庫評価損で利益押し下げ
石油各社の上期(4~9月)決算が発表されたが、セグメント別で石油事業でみると、大幅な減販、原油下落のよる在庫評価損の発生もあり、出光は黒字となったが、他社は赤字という厳しい業績となった。石油製品マージンは改善され収益は改善されている。上期の原油価格は、平均(ドバイ)では103.8ドル/バーレルが(前年は103.5ドル)で前年比では横ばいとなった。上期中の値動きみると期初は104ドル台でスタート、6月には111ドルに上昇したが、期末では94㌦に下落した。足元は80ドルとさらに下落している。上期の販売数量は、ガソリンが5.5%減など、燃料油全体では7%減となっている。大幅減販の要因は、4月からの消費税の増税、仕切価格(4~6月)の値上がりによる節約、夏場の天候不順などが重なったことによるものである。
黒字は出光で他社は損失7~9月では収益改善
石油製品マージンは、前年に比べると拡大したが、末端市況は低迷したため、厳しい環境が続いたことになる。
また、上期後半から原油価格が急落したため在庫評価損が発生したため利益を押し下げたことになる。
各社別で石油事業でみると、JXは在庫影響除きで常損失が140億円(前年では126億円の損失)となり、前年比で14億円の減となった。うち4~6月は242億円の損失であったが、7~9月は102億円の利益となり、収益は改善され、上期通期では相殺して140億円の損失となった。
出光は、営業利益が128億円(238億円の利益)で108億円の減益となった。在庫影響除きでは、営業利益が204億円(76億円)となり127億円の増加となった。
富士石油は営業損失が11億円(52億円の損失)で前年に比べ41億円の改善となった。うち在庫評価損が14億円あり、この在庫影響を除くと3億円の黒字となる。
コスモは、経常損失が130億円(106億円の損失)となったが、在庫評価影響除きでは、29億円の損失(170億円の損失)となり、赤字であるが収益状況は大幅なき改善となった。
通期見通しは原油価格を下期90~5㌦/バーレル、為替を110円/ドルの足元を前提としたが、先行きが流動的であるため前回見通しを修正しないが大勢となっている。
10月は前月より21.3%増 一日平均取引高