日刊ニュース

2015.02.13 のニュース

石油開発は原油下落で減益 円安効果もあり予測下回るが利益確保

 石油開発会社、元売の石油開発事業の4~12月期の決算が発表された。原油価格が急落したため原油の販売価格が10ドル強の値下がりしたことから減収、減益となった。原油価格の下落と連動してガスの販売価格が値下がりした。
 元売の石油販売のケースでは、原油価格(先物市況)の急落が、巨額は在庫評価格損となり、直ちに影響するが、石油開発の場合は、実際の原油販売価格に影響するまでタイムラグもあって値下がりが遅れるのと、為替が円安とで推移したため減益幅は小幅に止めたことなる。
 原油価格(ドバイ)は昨年4月は100ドル/バーレル台で推移、6月には110ドルに値上がりして高値なったが、8月が平均102ドルとなり、その後は急落して9月平均で97ドル、11月が76ドルとなり、12月末には53ドルへと値下がりした。世界の石油需要は低迷しているが、一方では米国にシェールオイルの増産で供給増となり、11月27日のOPEC総会では、需給を調整するために減産が見込まれたが、減産が見送りとなったため一段の値下がりとなった、1月には50ドルを割ったが、足元は53~4ドルへ値上がりしている。
 原油価格(ドバイ)の4~12月の平均は94ドルで前年同期の105ドルに比べると11ドルの値下がり、ブレントもほぼ同額の値下がりとなっている。
 為替は108円/ドルで8円の円安となったため、原油安を円安で販売価格を押し上げることになる。だが原油価格の大幅な下落は、減収、減益となった。1~3月は原油価格を50ドル、為替は120円/ドルを見込んでいるが、利益は確保できるが、前回予想を下回る見通しとなる。
 ここ約2年間続いた100ドル相場から約半値に急落したため、減益は止むを得ないが、石油開発は原油価格の動向に直接影響するため、安値が続くと探鉱、開発投資が減少する。だが、いつまでも現在の安値が続くことはなく今後に反発が見込まれている。
 各社でみると国際石油開発帝石の純利益は1017億円(前年は1070億円)となり前年比で52億円の減(4.9%減)、通期見通しでは1200億円で予想の1400億円に比べる400億円の減となる。売上高は1兆1530億円で予想に比べ1090億円の減収となっている。
 石油資源開発の純利益は293億円(前年は182億円)で112億円の増(62%増)と唯一の増益となった。その要因は海外原油・天然ガスが前年と比べて474億円の増益となっている。国内の原油販売は原油CIF価格に連動する値決め方式であることから、FOBの先物に比べると、価格決定が遅れるため、減益の影響が遅れて出る。イラクの原油生産はサービス契約であるため、原油価格の下落には影響しないのと、さらに前年に特別損失を計上した減損損失がなくなったこともあり増益となった。そのため通期の利益は254億円を変更しない。
 元売の石油開発事業ではJXの経常利益が550億円(813億円)で263億円の減(32%減)、通期は740億円で予想の10億円の減となっている。
 コスモの経常利益は356億円(405億円)で49億円の減、通期は460億円で予想の50億減となっている。
 出光が営業利益は154億円(256億円)で101億円の減、通期は135億円で予想の230億円に比べると95億円の減となっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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