2015.02.27 のニュース
絞り込まれた3年目の課題
石油流通問題議員連盟(野田毅会長)の活動がスタートして丸2年になる。現時点で自民党の衆・参議員合わせて約150人が同議連に加入し、石油販売業界が抱える諸課題に熱心に取り組んでくれている。
それまでベテラン議員で構成する「一木会」と中堅・若手議員が加盟する「ガソリンスタンドを考える議員の会」の2つの議連があったが、「困難化する課題の解決に向けて、1つにまとまって取り組もう」と2013年3月に大同合併した。
発足後、すぐに取り組んだのが業界の現状把握とその問題点の絞り込みである。中核メンバーが「SS支援対策」「業転問題」「廉売規制」「年金基金問題」のプロジェクトチームを設置し、それぞれの課題解決に向けた具体策を分析・検討した。
その結果、運営継続が懸念される石油厚生年金基金の今後の対応問題や、SSを「公共インフラ」として国のエネルギー基本計画に明記させること、さらには消費者の燃料に関する税負担を増やさないための増税阻止など、その解決を国に積極的に働きかけ実現した。
また、全国でSS過疎化が進む中、地域住民の生活に欠かせないガソリンや灯油の供給継続のため、国の予算支援獲得にも取り組んだ。特に地下タンクの漏洩防止対策や撤去・入れ替え支援、さらには灯油ローリーの購入やSSの経営効率化を促すための支援など各種補助事業の実施・継続に尽力してきた。
ただ、SS業界が最も強く望んでいる公平・公正な競争環境の実現は進んでいない。元売各社のトップを直接呼んで「長年取引してきた特約店に高く卸して、顔も知らない量販店に廉価の業転を流すのはおかしい」と指摘。公平・公正な取引の実現、系列玉と業転玉の格差解消を強く要請した。議員立法による解決策を探りながらも昨年4月からはエネ庁、公取委の同席のもと「元売とSS業界との協議の場」を設置して諸課題の解決を目指しているが、肝心の業転格差は依然、縮小せず、収益性を無視した量販競争が、系列特約店・販売店の経営を脅かしている。
議連幹部は先ごろ開いた役員会で「この市場問題を解決しなければ意味がない」として、議連創設から3年目の今年、市場の取引透明化による業転格差解消を最大課題と位置づけることを確認した。一層強力な支援とその結果に期待したい。