日刊ニュース

2015.04.30 のニュース

PBなど攻勢が目立ちシェア拡大へ 流通証明添付の効果期待できず

 販売業界では大型のPB、HC、無印SSなどの安値攻勢が目立っているが、量販店、販売子会社なども同値で対抗しているため、その狭間にある系列業者がますます苦しい状況となっている。コスト面からみても、PBは資金力もあるため安い業転玉を購入しており、販売価格は、低マージンによる薄利多売方式で対応しているため、系列販売業者との間では販売価格では10円/リットル以上の価格差がついている。
 業転玉を5円安で仕入れ、販売価格でも5円安で販売しても採算に合うため、系列業者に比べれば有利となり、勝負にならない。
 業転安による仕切価格との価格差問題は、全石連でも取り上げられ、自民党の石油流通問題調査会で、業転と系列価格差問題が議論された。エネ庁、公取委が仲に入り、ブランド料の引き下げ、流通証明の添付など改善策が提示された。
 ブランド料の引き下げも実施となったが、昨年秋以降、原油価格が急落したこともあって仕切価格が、短期間に大きく変動したため混迷した。仕切価格が連続して値下がりしたため、末端市況の値下げ局面であり、余裕もあったため価格差が縮小する時期もあった。だが、仕切価格が値上がり局面となると格差が拡大することになり、仕切価格が大きく変動したため実勢と乖離してきた。
 石商サイドでも価格を調査すると、価格調査時点にもよるが、変動期となったこともあり、業転との価格差が8~10円と拡大したり、縮小したりバラついた。そのため、4月に入り仕切価格を調整する動きも出た。
 最近になって原油価格が落ち着き、市況も安定してきたため業転問題が再燃してきた。以前より価格差が拡大してきたとの見方も出て、結果的には、業転ルートが定着したことになりPBが増加してきた。
 また、流通証明書の添付についても、業転ルートを解明することで、業転玉の流れを抑える効果を期待したが、その効果を期待することが難しいことが分かってきた。流通証明書は、仮に供給ルートが明らかになっても、安値を追及することは難しい。
 供給ルートが判明すれば、元売も業転玉の販売を自粛するのではないかとの期待感はあったが、今まで供給ルートが把握されても公表されることもなく、従来とは変わりがないまま推移している。元売から出荷された玉が、いくつかの経路を経て供給されているが、法的にみて不当廉売、差別対価に該当することがないことから問題が提起されたことはない。その意味では安い業転の放出をけん制することの意味合いもあったが、業転が減少することはなく、ここにきてPBが攻勢をかけており、
シェアも増やしている。PBとしては山形の上山市にアメリカ生まれの倉庫型「コストコ」が開所、大型のセルフSSもオープンすることになっており、周辺の系列SSでは脅威となっている。業転ルートを縮小させることを期待したが、空振りとなった。流通証明が、安売りを取り締まるための法的な拘束力もなく、不当廉売、差別対価であれば対象となるが、法律違反にはならないため、打つ手がないのが実態である。
 一方、PB、HCなどの安値に対しては、量販店、販売子会社などは、コスト面では競争力を持ち、対抗できるため、安値に対しては安値で対抗している。さらに、カード会員割引などで、実質値下げ対抗しているなど、価格競争が展開されているのが実態である。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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