日刊ニュース

2015.05.14 のニュース

ガソリン市況対策を急ぐ 連休商戦終盤で下落状況

販売業者は、連休明けのガソリン市況対策に取組む。4月での仕切価格の値上げを受けて連休中も値上げに取組んだ地区もあるが、大半は市況維持に努めた。連休終了時では2~3円値下げするケースもあり、連休明けからは市況立て直しが急務となってきた。連休中での原油価格は65ドルへと値上がりしていたが、先週末には調整局面となり値下がりした。だが、仕切価格は値下げが予想されるため、元売の出方を待つことになっている。ただ、連休明けとなると、連休中の増販の反動で減販となるのと、これから梅雨入り、台風の到来による天候不順で減販となるため、販売業者も厳しい状況となる。そのため減販を意識して増販を狙うと価格競争が展開されることが心配される。5月中句から6月の不需要期を乗り切ると7月以降は夏場商戦に入るため増販が見込まれるため、ここは我慢してユーザー転嫁に取り組み、マージン確保に取り組むべきである。なお、昭和シェルは、2円仕切価格の値上げを実施する。
 元売サイドは3月決算を発表、27年度が実質スタートすることになり、新しい体制で臨むことになる。
 3月期決算は、昨年夏以降の原油急落で巨額な在庫評価損が発生したため赤字となった。だが、在庫評価損を除くと利益を計上することになっており、原油価格の急落による影響には打つ手がなく、石油業界の事情を反映したものでやむを得ない。
 27年度は原油価格を60ドル/バーレル、為替を115~120円/ドルと足元の相場をベースに安定して推移するとみて、適正マージンを確保することで増益を見込んでいる。
 原油、為替の見通しは難しいが、原油も60ドル相場で推移するとの見方が大勢となっている。地政学的リスク、シェールオイルの生産動向、世界景気など不確実な要因も残っており、予断を許さないが、当面は安定して推移しそうである。
 今までの100ドル超えの原油価格はバブルであるとみて、今後は適正マージンが重要となる。
 販売業者サイドも原油急落というコスト変動局面でうまく先を見て利益を確保したケースもあったが、今後はコストが安定する状況下で適正マージンを確保するという正当な商法で臨むことになる。
 混迷を機に利益を確保する商機をつかんだが、当面は安定需要を期待しながら、安定利益を確保することになる。需要は前年が落ち込んだため、前年に比べると微増は望めそうである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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