2010.11.25 のニュース
ユーザー転嫁直前で様子待ち ―仕切値上げ分はかぶりも―
ガソリン市況は、横ばいが続いている。石油情報センターの週動向調査(15日)は平均で132円30銭/Lが4週間にわたって続いており、132円台は9月末から続いている。一方、原油価格は大幅に変動している。WTIでみると、10月の平均が82ドル/バーレルであったが、11月に入り値上がり、11日には87.81ドルに達し、その後は下落、85ドル前後で推移したが、17日には80.44ドルまで急落した。足元は約82ドルまで戻したが、短期間で8ドルも変動する状況となった。そのため、仕切価格は値上げとなりガソリンは、ユーザー転嫁に取り組むことになったが、直前に原油価格の急落で様子待ちに戻っている。仕切価格が値上がりとなったが、ユーザー転嫁が遅れることになり、販売業者が仕切価格の値上がり分をかぶることになってきた。
原油価格(WTI)は、11月で大幅な変動をみせている。月初は82ドルであったが88ドルまで急騰、その後は80ドルまで急落した。原油価格は「70ドル~80ドルの価格帯の範囲内で推移する」との見通しが大勢であり、その範囲であるが、87ドルを超え、90ドル説が出た寸前の急落で石油業界は戸惑いをみせている。
販売業者はガソリンのユーザー転嫁を直前にして準備に入っていただけに、厳しい状況となっている。原油価格は、9月には71ドルで70ドル割れも予想されたが、10月から値上がりをみせ、為替が80~81円と円高に転じ、原油価格のコスト増が円高で相殺されていた。しかし、11月に入り原油価格が急騰したため、仕切価格が値上げとなったが、その直後に急落することになり戸惑いを生じている。
11月に入り、短期間で7~8ドルも変動することになり、週決めの業報市況リンクの仕切価格も流動的となり、ユーザー転嫁も難しくなってきた。原油価格の今後の値動きが注目されるが、ガソリンは12月商戦を直前にしており、販売業者の対応も難しくなってきた。
仕切価格はすでに値上がりしているため、販売業者は、ユーザー転嫁を見送ると値上げ分はかぶりとなる。仕切価格が値下げとなれば、ここで調整されることになるが、微妙な状況にある。国内の先物市況は原油価格に直ちに反応するが、業転市況は遅れるため、様子を見定める必要がある。