日刊ニュース

2016.12.21 のニュース

官公需情報の有効活用を

全国の石油協同組合が国の出先機関や地方公共団体とどのような官公需契約を結んでいるのか、そして、新たにどのような契約が結べたのか。一方で、今後、受注を継続するうえで懸念される事例にどう対処するのか。こうした情報を一元的に集約し検討する場が、全石連が今年度、新たに設置した官公需部会である。
 同部会の初会合が先ごろ開催されたが、その目論見通り、全国に紹介したい新たな官公需契約方式や、地域自治体への地道な働きかけがようやく成果を上げ始めたケースなどが報告された。
 初部会に出席した委員の多くが「ぜひ、詳しく聞きたい」と求めたのが、神奈川石協の官公需カードシステムの話である。同石協は東日本大震災をきっかけに研究してきた組合カードシステムを完成させ、そのメリットを示して今年4月から、神奈川県警との間で随意契約を結んだ。県警車両は組合が発券したカードで給油し、組合員SSは専用タブレットにデータを入力。販売実績はデータセンターに送られて決済が行われる仕組みだ。
 組合側は請求事務が、県警本部も決済事務が効率化されお互いのコスト削減につながる。さらには、県内の組合員SSの多くで随時給油することができるため、災害時も含めて利便性が高まった。
 もう1つは官公需適格組合の資格を取得し、地元自治体との間で災害時協定を締結、さらには随意契約での官公需受注に成功した愛媛石協の事例である。昨年、閣議決定した「国等の基本方針」の主旨を粘り強く訴え、それが自治体側に浸透していく様子が詳しく説明された。現在、自治体側にアプローチしている組合にとって絶好の参考事例となるだろう。
 いいことばかりではない。今年、岐阜県警の燃料調達が県警本部の一括契約となり、競争入札でリース会社の子会社が落札した。SSを1ヵ所も持たない業者が、元売の発券店値付けカードを利用する方式で参入し、安値落札したものだ。この手の契約がほかの官公需にも広がる可能性もあり、早急に対策を講じなければならない重要課題だ。
 実績もあるが課題もある。官公需はまさに全国の組合の組織力を発揮しなければ前進しないテーマ。情報の有効活用によって各組合が実績を伸ばしていくことを望みたい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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