日刊ニュース

2016.12.22 のニュース

スマホ使用を叱れるか

 新しく雇用したアルバイトスタッフが仕事中、SS店内でスマートフォンをいじっていたので、「注意しようと思ったが、注意した結果、辞めてしまったらどうしよう」と戸惑ったという話を経営者から聞いた。1SS運営ながら鈑金などカーケアに熱心に取り組むやり手の経営者だっただけに、人手不足の深刻さを改めて痛感させられた。
 こうした状況について、「しっかり注意はしないと店頭の接客レベルが低下し、負のスパイラルにつながる」という指摘がある一方で、「以前は出来の良くないアルバイトには辞めてもらったが、いまは補充ができないため簡単に辞めさせられない」との声も多く挙がる。
 アルバイトを指導する店長にも話を聞くと、「昔からのことだが、店長の資質が大きい。他のアルバイトに悪影響があるなら辞めてもらう」としながらも、「いまの若い子にスマホを見るなと言っても無理。自分は、お客さんから見えないところなら良いとしている。注意を“怒られた”と感じて嫌になってしまう子も多い」とし、注意を行う際の場所やタイミングなどは柔軟にすべきと話す。
 アルバイト募集にかかる費用を都内SSで聞くと、「方法などによるがネットで1ヵ月募集して7~8万円、ネットと雑誌を組み合わせると1週間7~8万円はかかる。時給は免許有無にかかわらず1千円を超える」。中には時給1500円水準のSSもあり、その経営者は「アルバイトの時給が高くなり、正社員より稼ぐような事態が起こりつつある」とし、問題の山積化を指摘する。「もう半年、50万円以上かけて求人広告しているが応募はない。時給を上げて来るうちは良い」や、アルバイトが集まらず、正社員には残業時間の問題があるため、社長自ら店頭に出て人員不足をカバーしているSSもあり、「こんな状態が続くと労務倒産もありえる」と危機感を示す声が聞かれた。
 かつてバブル時にも3Kの職場とされ人手不足に見舞われたが、現在はそれ以上に厳しい風が吹いている。シルバー人材の活用など方策はまだあるだろうが、抜本的な解決策ではない。SSの収益力向上を図ることこそが本筋である。人手不足は我々組合員SSだけでなく、販社SS、広域フリート、PBSSのいずれにも共通する重大な問題のはずだ。SSを魅力ある職場にしていくために、業界が団結したい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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