日刊ニュース

2010.12.10 のニュース

SSでのオイル増販に期待 ―新オイル発売を機に巻き返し―

SSでは油外収益の向上を狙った動きが出てきた。ガソリンのマージンも増加してはいるものの、販売増にも限界があり、現在、さらにSS経営を安定させるには、ガソリン以外のタイヤ、バッテリー、オイルの増販、洗車、車の整備収入などで増販を狙うことになる。
 そのうちモーターオイルは、油外商品でも唯一、元売が販売する製品であり、新規格のAPIの「NS」、ILSACの「GF‐5」を取得したのを機に、秋から新オイルを発売しており、増販キャンペーンを展開している。元売も新オイルの販売を機にSSでの店頭販売の強化を狙ってSSマン向けの研修を行なっており、オイルの基礎知識・オイル交換・セールストークなどの教育、訓練を実施している。   
 増販キャンペーンヘの取り組みは成果をあげているようである。久し振りの新製品であるためSSでも関心を強めている。オイルの販売はSS離れが進んでおり、新オイルの販売を機にユーザーのSS回帰を狙っている。
 オイル販売は、SSのシェアが30%程度とされており、その大半をカー用品店、カーディーラーに奪われている。カー用品店はSSに比べると割安であるため、シェアを拡大してきた。裏を返せばSSの販売価格が割高であることになる。過去においては、SSではガソリンのマージンが多く、ガソリン販売でSS経営が採算に合ったため、オイル販売には力を入れなかったことが今日におよんでいる。SSの殿様商法が裏目に出たことになる。
 それでも元売はカー用品店に対抗して割安なエコノミータイプのオイルを開発、販売して対抗しているが、一度離れたユーザーをSSに戻すことは難しい。
 元売もSSでの販売のみではシェアを維持することができず、カー用品店向けの独自のオイルを開発して販売している。カー用品店ではプライベートブランドのオイルを販売するなどユーザーの囲い込みに成功しているが、それでもユーザーの車離れや節約からオイル販売は減少しており、力ー用品店も苦戦している。
 元売もカーケアセンターを実験的に経営しているが、拡大することはなく様子眺めの状況にある。
 さらに、オイル販売ではカーディーラーの攻勢が目立っている。新車の販売に際して、引続きオイルの販売を行なうよう契約してユーザーを確保している。カーディーラーによるオイル供給となると自動車メーカーが指定した純正オイルとして品質を保証されたものとなり、ユーザーも安心し、継続して購入することになる。
 そのオイルは元売が生産して供給しているオイルであるが、ユーザーは自動車メーカーというブランドに信頼と安心感を求めており、カーディーラーのシェアが増加している。
 カーリース業者もリースした車の整備、オイルの供給は自らが行なうことにしている。都市部の法人関係はカーリースを利用するケースが増加傾向にある。その結果、都市部のSSは油外収益減となっている。
 このようにみるとSSでのオイル販売は苦戦となるが、ガソリンはSSでしか給油できないため、給油で来店するチャンスを生かしてオイルの増販を狙うことが大切となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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