日刊ニュース

2010.07.12 のニュース

ドライブ需要を掘り起こそう

今年3月末現在のガソリン販売業者は2万365社、SSは4万357ヵ所。原動機付自転車を除いたガソリン車の保有台数は6900万台弱。09年度の年間ガソリン販売量は5757万KL。原付が約900万台あるが、販売量全体に占めるシェアは低いので試算から外せば、ガソリン車1台当たりの平均単純使用量は約840Lとなる。これが05年度だと約880L、01年度だと約920Lだ。
 1台当たりの消費量が減っている。保有台数も頭打ちで、今後も低燃費化は一層進むから、薄利多売指向でなく、適正マージン確保を最優先し、同時並行で需要の堀り起こしを追求していくのが賢明だろう。1世帯当たりマイカー保有率は、最低の東京でも0.5台、全国平均では1.1台。稼働率が上がれは、必然的に需要は増える。
 好材料はある。高速進路の休日特別割引は、通行量の増加と走行距離の伸びにつながっている。先月28日から始まった今年度の高速道路無料化社会実験に伴う当初結果速報によると、全国37区間50路線の平均交通量は平日1.8倍、休日1.7倍に増えた。「より遠くに」が期待される。ただし、気がかりなことも。無料化区間に並行する主な一般道の交通量が平均2割減少した。お盆時期の休日特別割引は、昨年8月は交通分散のため土・日曜プラス前後4日の計14日間適用されたが、今年は暦通りの9日間と短くなる。
 こうした現実を直視したうえで、「わがSS」をご利用いただくにはどうすればよいか。通勤、商用、買い物など必要最小限のクルマ利用が極端に細ることは今後も考えにくい。クルマ離れに対しても、SS業者はすでに中古車レンタカーや車販の取り組みを広げるなど防戦の手立てを講じている。ここはやはり、プラスアルファのドライブを誘発する“旅”を仕掛けてみてはどうか。旅行時の交通手段の5~6割がクルマ利用だから、計画的な旅行はもちろんのこと、予定外の週末日帰りミニ旅行を誘発する場としても、SSは重要な接点となる。
 政府の新成長戦略では、観光・地域活性化戦略として国内観光需要の喚起を通じた1兆円の効果を見込んでいる。観光地や集客施設を有する「着地」と、クルマが集積する「発地」の連携、その間をつなぐ広域連携において、SSは重要な役割の担い手に十分なりうる。

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