日刊ニュース

2010.07.14 のニュース

ガソリン 夏場商戦入り 在庫減少で需給は正常化 ―増販期待も天候次第―

製油所の定期修理明けとなり、これから稼働率がアップするが、今のところ製品需給は安定している。6月中旬の稼働率は61.5%と最低水準となったが、稼働率はこれからアップする。それでも各社は前年に比べて4~5%の減産で臨んでいる。製品在庫はガソリンが一時250万KL台と増加したが217万KL(3日時点)と前週にくらべ10万KL減少している。今までは前年に比べると高水準であったが、調整されて同水準となり、供給増とはなっていない。灯油は174万KL台と積み増しされているが、前年に比べると約50万KLも低い。灯油在庫は今冬の販売減を見込み低水準で対応する方針である。無理をしても在庫を積み増しすることなく、仮に不足する状況になった場合には輸入で対応することにしており、各社ともコスト減を狙っている。ガソリンはこれから夏場商戦に入る。街道沿いSSでは、夏休みとなってからの好天気、猛暑による増販を期待している。だが、最近になって集中豪雨など悪天候が続いており減販が心配されている。
 原油価格(WTI)は、連続して値上がりしている。6日に72ドルであったが、9日には76ドルと再度値上がりしてきた。アメリカの地価が上昇しており、これに原油価格も連動して値上がりしてきた。東工取の先物ガソリン市況も値上がりに転じており状況は変わってきた。
 ガソリンは、これから本格的な夏場商戦に入るため、販売業者も増販を見込んでいる。ガソリン販売は5月が1.2%減となったが、4月で増販となり4~5月では1.3%増となっている。6月は落ち込んだが、7~8月は夏場の需要期であるため増販を期待している。
 高速道路料金の割引きも実施されるため、猛暑で好天気が続けば増販が見込まれる。最近の集中豪雨が心配されているが、夏場のガソリン販売は天候次第となる。新車の販売やエコカー減税の効果もあり、増販が期待されている。新車は増販となっても省燃費車であるため、ガソリンの大幅な増販には結びつかない。
 ガソリンが増販となっても微増であり、それも街道沿いSSに限られる。都市部のSSは会社が夏休みとなるため営業車の走行が減少することになり、減販となるため、SSサイドも適正マージンの確保に専念すべきである。
 ガソリンの価格競争も沈静化しており、販売業者も4~6月はマージンが確保されているが、夏場商戦で増販を狙って価格競争が展開され、利益を吐き出すことのないよう自制が求められている。

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