2010.07.16 のニュース
販売業者 大口向け値決めで苦戦 需要家ブランド料引き上げに反発 ―中間留分、重油は未転嫁も―
仕切価格は新々体系に移行したが、大口の中間留分、重油の販売業者は、ユーザー転嫁に苦慮している。仕切価格の見直しで、ブランド料が2円/L程度引き上げられ、実質値上げとなったが、大口向けは、値上げ分の転嫁が難航しており、販売業者が苦戦している。元売間の仕切価格に差が生じていることもあり、大口の共納関係は、ユーザーとの値決め交渉に入っているが、業転市況リンクが伝わっており、手の内が明らかになっているため、販売業者は価格交渉に不利となるとの不満も出ている。新々体系もスタートした直後であるため、まだ定着していないこともあるが、6月は減販となり、販売業者も弱気に転じている。
ブランド料を引き上げた新々体系に移行したが、販売業者間では、元売系列間で価格差があるのではないかとの疑心暗鬼も残っている。
業転市況と仕切価格との価格差も生じており、ガソリンはホームセンター、量販店などと、一般のSSとの価格差も出ている。そのため、系列SSは苦戦となっている。
一方、大口向けの中間留分、重油については、入札など共納関係にあり、価格競争が厳しくなっている。週決めの、仕切価格の改定に対して、大口ユーザーの場合は、月決めで決着しており、業転市況の動向をみての値決め交渉となると、販売業者は不利となる。
ユーザーも、ブランド料の引き上げを知ることになり、値引き攻勢に出ている。業転市況リンクの価格体系は、公正で透明となっているが、価格改定のポイントは、マージン幅をめぐっての攻防となる。
ユーザーから値引き要求が出ると、マージンを減らすことになる。ユーザーにも週決め仕切価格の上げ下げが分かることになり、決済は月決めとなるが、月内で大幅に仕切価格が変動すると、値取が難しくなってくる。