2010.07.27 のニュース
論説 我々の地域サポートは多様だ
幹線道路沿いであっても我々の主要な顧客は地域の人々や企業だ。SSは地域産業であり、販売業者として地域にどのようなことができるかという視点も求められる。防犯や災害時などの地域内SSの横断的な貢献活動、個々が取り組む災害対応型SSなどは、まさに地域での業界の存在感を高め、そして、親しまれることを通じて事業の継続を意図するものだろう。
販売業者が地域を意識し、展開している事業や活動は実に多様化している。最近の本紙を見ても、京都府福知山市の販売業者は地産地消を目指して地元の酒造メーカーと地ビールを開発・販売しているし、大分県津久見市の2販売業者は両社で構築した灯油の共同配送システムをベースに、日用品を宅配する会社を立ち上げ、離島を含めた住民に好評だという。
栃木県那須塩原市の販売業者は年に2回の地域イベント会場としてSSを開放、社長が参加するバンドも登場し、地域催事のリーダー役を演じている。バンドと言えば、海外公演をするほどの実力があるのが愛知県一宮市の販売業者の音楽部。地元だけでなく、各地の小中学校にも出向いて演奏会を催している。
山形県河北町の販売業者はSSで回収した古紙の売却益で購入した電動スクーター2台を町に寄贈した。同社は昨年、地元の小中学校に環境絵本を贈っており、環境問題に絞った取り組みとして注目される。高松市の販売業者は今月中に運営11SSのうち7SSに、さらに年内にも全SSにAEDを導入する計画を明らかにした。これも地域を念頭に置いた企業としてのスタンスであろう。
先日、岡山石商が展開してきた防犯活動、災害時協定の締結など幅広い地域活動に対して、県が顕彰したが、組織的な活動としては、一般的となった「かけこみ110番」、災害時協力協定などのほか、宮城県塩釜市の海上業者がバージ船で行う港内清掃、福島県の多数のSSマンらが協力する献血運動などもある。北海道の胆振石協は車いすと交換できるリングプルを組合員SSで回収し、この6年間で贈った地元小・中学校の数は27にもなった。
中学生の職場体験学習を受け入れるSSが全国的に増えている。これも生徒を通じて地域との一体感を強めようとする動きだろう。SSが地域での存在感を高める方法はここまで多様になった。