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次はセルフ“油外” 今年中に限度に来るか? 2003年02月20日更新

「セルフSS」と「クレジットカード」の“相性”は、双方のメリットが合致する感じで今後ますます増えていく見通しがある。
 それに着目したコスモ石油は早々とセルフ用新型POS「V-POS」を打ち上げた。
 この新商品は今後の新設・改造のセルフSSへの導入を目指したもので、石油連盟仕様の計量機を内蔵し、シンプルで安い、早い、安心などの特徴を備えている。
 大型カラー液晶画面で、お客に見えやすく、使いやすいことがコンセプト。計量機と集中精算方式を組み合わせることでSS全体のシステム投資コストの削減、アイランドの省スペース化を図ることができる。
 24時間営業のセルフSSの条件に合わせて、POS本体がダウンしても外設機が稼動してPOS本体の機能を果たす設計になっており、コスモ石油としてはセルフSSを中としたブランドサポートの有力な武器として位置づけている。
 いずれこのように、“セルフSS”に特化した精算方式や機器が各セルフで採用されていくことはひとつの時流と見ることができる。
 その“セルフSS”は、前述の通り、元売系は昨年12月末には2,00ヵ所を超えた。昨年9月末の段階と比べて更に400ヵ所弱の伸びとなっており、既に2,000ヵ所弱に達している。
 元売別ではエクソンモービルグループのセルフSSが530ヵ所弱、次いで新日石のセルフSSは300ヵ所強となっている。
 元売系以外のセルフSSが他300~400ヵ所に達しているので総数としては2,400ヵ所内外という現状になっている。
 しかし、増勢を続けている“セルフSS”のペースは今のところ落ちないとしても、ここに来てセルフSS同士の競争が激化、当初言われたような“フルの3倍以上”の売上げは今や望むべくもない状況となっている。
 そんなとこから、予定した数量が売れなくなり、今後のセルフ建設にブレーキがかかるのではないかという見方が一部にはある。
 そういう見方が常に存在しながら、急ピッチで進出が続いているのが“セルフSS”。いまや元売の数量確保の先兵としての位置づけが明確になって来た“セルフSS”、いずれ今年中にも、一種の“飽和点”が来ると思われるが、そこまでは各社全速力で進出を急いでいるというのがいまの状況だ。
 そして一方では“セルフSS”の“油外”強化が叫ばれている。これまで商社系のスーパー併設セルフSSなどでは“無人洗車”が併設されているところが多く、元売系でもコンビニ併設やコーヒーショップ併設のセルフSSが定着している。
 しかし、“フルサービス”で一般化している“油外”のような形ではまだまだ行なわれていない。それは“セルフSS”は基本的にサービス要員を省力化することであるのに対し、本格的な“油外”販売にはやはり、教育された人材が必要になるからだ。
 “フル”と“セルフ”、通常3円/リットルの価格差を生み出している要素は文字通りセルフサービスであるためだが、今後“セルフSS”進出が一巡し、“セルフSS”の採算経営が課題となってくれば、必ずこのセルフでの“油外”問題が重要テーマとなってくるにちがいない。

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