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「売れ、売れ」だけじゃダメ 2001年08月09日更新

「売れ、売れ」だけじゃダメ
経営者の中には、「気合い」や「根性」がモノを売るための唯一の手段であると信じて疑わないタイプの人がいる。
 確かに販売の場面で、売る側の熱意は必要だ。しかし「買うまで帰さない」あるいは「買うまで帰らない」というのは、熱意を超えて単なる迷惑である。石販業界では油外商品などの「押し売り」を排除する動きが一般的になりつつある。ところが、そうした動きに逆行するかのように、それこそ「気合い」もろとも油外商品を押し付け販売するSSも現れているのが現状だ。こうしたSSの存在は「押し売りイメージ」から脱却しようとする石販業界の悩みの種となっている。
 そもそも、モノを売るのに経営トップが抽選論や精神論ばかり語るからそんなことになるんだな、と指摘するのは静岡県西部の特約店幹部だ。
 「従業員の尻を叩いて『気合いだ』『根性だ』って、そんなことを言ってもモノが継続的に売れるわけはない。客が何を必要としているのか、SSは何を提供できるのかを考えず、ただ『売れ、売れ』だけじゃ、早晩、経営は行き詰まるだろう。これからの経営トップに必要なのは、マーケティング戦略を構成すること。従業員に対しても抽象論を語るんじゃなくて、具体的な戦略と戦術を行き渡らせることが重要なんじゃないか。『売れ』と指示するだけならだれでもできる。こうすれば売れる、という策を与えるのが、これからの経営トップの役目だと思うがねェ」ということです。

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