2010.08.23 のニュース
論説 すでに17ヶ月、2千億円也
我々の最大商品のガソリン内需を、さらに下方へ下方へと導くクルマ関連のニュースが続く。いずれも持続可能な地球環境へつながる技術革新と政策誘導が起点となっているから、クルマの変化に関しては、その影響を我々は受動型で受けざるを得ないのが実態だろうが、こと政策に関しては、これを黙して受けてはならない。特に最近の政策誘導は沖縄やマニフェスト違反に限らず、エネルギー問題でも、あまりにもフライングやミスリードが多くなっているように映る。
かつて道路財源であったガソリン税は、17ヵ月前から一般財源化されても、なお一般消費税5%のタックス・オン・タックス状態で放置されている。消費税導入の際にかつての大蔵省から聞いたタックス・オン・タック久の理論武装は、特定財源だから、というものであった。泰然自若というか、旧態依然通りに、実に17ヵ月間、数量に換算すると7000万KL以上のガソリンから、課税根拠を喪失した状態で、約2000億円のガソリン税に5%タツクス・オン・タツクスされた消費税が、我々の大切なお客様の家計から、国庫へと収納されてしまった計算だ。しかも、この間の石油元売、SSともにガソリン収益は大幅に劣化していた時期と重なる。一方でこの2000億円は国としてのほぼ経費ゼロの純益であろうから、元売や我々SSが苦労に苦労を重ねた純益よりも多額となろう。
この問題を主テーマにして、国政を担う地域選出議員に対する各地石商と油政連の要請活動が続く。タックス・オン・タックス問題については、同意を示す意見が圧倒的に多いが、現実は旧態依然のまま放置されている。徴税当局に至っては無視しているといっても良い対応だ。過度の税収不足に直面する国の台所事情は理解するが、政治として、当局として、筋を通した説明が必要だ。
消費税率が10%になれば、我々の大切なお客様は、現状の2倍のガソリン税タックス・オン・タックス分を支払うことになる。ドライバーから、我々SSから、タックス・オン・タックスという言葉が聞かれなくなる、タックス・オン・タックスという文字が税制改正要望から消える。このような行動を求めている。我々にとってのタックス・オン・タックス問題は、政治として、当局としての説明責任を果たさないまま、放置されているテーマである。