日刊ニュース

2010.08.26 のニュース

SSのオイル販売減に歯止めを -HVなど対応、販売戦略を見直し-

SSでの自動車用オイル販売は下火となっている。カー用品店の安値攻勢もあるが、最近ではカーディーラーが新車の販売と同時にオイル販売、定期点検をパックでユーザーに提供しているため、SSでのオイル販売は減少している。さらにカーリースによる車も増加、ガソリンはSSで給油するが、オイル交換、整備はリース会社が一括して実施することになりSSの出番が少なくなってきた。
 これに加えてハイブリッド(HV)車の普及が進んでおり、SSでの点検、整備も難しくなってきたため、ますますオイル販売が減少している。これら省燃費車の普及でガソリン販売も減少しており、SSはダブルパンチを受けている。HV車の整備、点検は元売、石商などで特別の研修会を開催して整備できるように訓練しており、オイル販売の道を拓いてきた。しかし、今後ともガソリン、オイルが販売減となるため経営は厳しい状況となってきた。最近はガソリンのマージンが回復してきたが、減販が続くことになりSSの経営難は簡単には解消されない。
 SSの経営戦略は、ガソリン販売の過当競争とマージン低下での減益分を油外収益であるオイル、洗車、タイヤ、整備、車検などで確保することが元売の方針となってきた。
 油外収益の中では洗車が一時期ブームとなり、SSでの油外収益の柱となった。高級洗車が登場してSS経営を支えたが、原油価格の高騰を機に、ユーザーの車離れ、消費節約が浸透して一気に減少した。タイヤ販売もSSでの収入源であったが、タイヤ専門店の進出、カー用品店の安値攻勢もあってSSでの販売は減少。それでもタイヤ販売キャンペーンを展開すると好成績をあげるSSも多いが、全般的にみれば、タイヤ販売の勢いは落ちてきた。
 オイルはSSの油外商品の中で、唯一、元売が生産している商品であるため、元売もオイル販売には力を入れている。だが、ユーザーのSS離れが目立っている。その要因は、①SSでのオイル販売価格は高いとの先入感がユーザーに定着している、②オイル販売と車の点検、整備を強要するなどの批判が増え、結局、ユーザーのSSでのオイル離れが加速したことになる。
 オイル販売については、元売もSSへの回帰を狙って増販策に取り組んでいる。そのため、①SSでの割高感を払拭するため割安のエコノミータイプのオイルを開発、販売する、②車に見合ったオイルを品揃えする、③作業料金、価格を表示する、などユーザーに対して分かり易い販売策を打ち出している。
 SSサイドもガソリンを給油するユーザーに対して、オイルを薦めるために一声かけることで販売に結びつける努力を行なっており、一応の成果をあげている。SSもオイル販売を再見直しすべき時期にきた。
 かつては、SSでは安いオイルは販売しないというのが戦略であり、マージンも大幅であった。ガソリンのマージンも20円/L以上あった時期でSSの経営は安定していた。オイルで利益をあげなくてもガソリンの利益のみでSS経営が可能な時代もあったが、現在はガソリンも低マージンであり、オイルなど油外収益を確保しないとSS経営が難しい時代である。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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