2013.04.02 のニュース
製油所 安全・安定操業の徹底 ブランドカの向上、ネットワーク強化
JXHDは3月28日、第2次中期経営計画(2013年度~2015年度)を発表した。木村会長は「第1次中期計画は、2010年度からスタートしたが、その間、為替が75円/㌦の円高となり、また、原油価格の大幅な変動、さらには東日本大震災による仙台鹿島製油所での被災、操業停止など大きな影響を受けたが、一丸となった取組みで難局を乗り切り、結果的には、2012年度は経常利益3000億円の目標達成が見込まれている。第2次中期計画は飛躍のスタートとして位置付け、基幹事業強化を図る。製油所など事業所の安全・安定操業を徹底し、海外投資では韓国SKとのパラキシレン事業、パプアニューギニアのLNG事業の成果が見込まれる。また、国内では佐渡沖の基礎試錐の結果を期待したい」と述べた。
第2次中期計画の前提条件としては、為替が90円/㌦、原油価格(ドバイ)は110㌦/バーレル、銅価格(LME)は360㌣/ポンドとして、2015年度の経常利益4000億円以上、ROE10%以上の目標を掲げている。3年間の設備投資は1兆3000億円(うち戦略投資が8300億円)としている。
経常利益(在庫影響を除く)をセグメント別でみると、①エネルギー事業(従来は石油精製販売事業)が1550億円(2012年度見通しでは1330億円)、うち石油が1000億円(880億円)、石油化学が550億円(450億円)、②石油・天然ガス開発事業(従来は石油開発事業が1100億円(950億円)、③金属事業が1300億円(450億円)、④その他250億円(270億円)と増益を見込んでいる。また、株主への配当は年間16円の継続に努める。
ポイントとなる原油価格は110㌦/バーレル(2012年度の見通しは109㌦/バーレル)、為替が90円/㌦(81円/㌦)と足元の水準を見込んでいるが、この予測から変動すれば、利益はプラス、マイナスに大きくぶれる。
各部門の戦略として、エネルギー事業の基幹事業である石油精製販売では収益力強化を図る。主な施策は製油所の国際競争力強化に向け、安全・安定操業、精製コストの削減(省エネ、ボトム対策)、石化工場化(室蘭)の推進を挙げている。
設備処理は2014年3月末で室蘭の18万バーレル/日を停止、この結果、2009年から58万バーレル/日を削減したことになり、能力規模は121万バーレル/日となるため高度化法の対応は完了する。サプライチェーンの構築では、販売ネットワークの強化、ブランドカの向上(新Dr・Driveの導入、カード戦略等)に取り組む。
石油化学は、韓国のパラキシレンプロジェクトを推進、2014年度には供給能力を262万㌧から312万㌧に拡大する。オレフィン・アロマの事業構造変化にも対応する。潤滑油では、韓国グループⅢベースオイル事業の拡大と海外製造、販売拠点の強化を図る。
石油・天然ガスでは、開発中、開発検討中案件の実現を目指す。2020年度で生産量20万バーレル/日(現在は12万バーレル/日)を確保。大型オペレーター案件(3年間で900億円を投資)は、マレーシア、カタール、佐渡南西沖が期待されている。
設備投資は、3年間で1兆3000億円(うち戦略投資は8300億円)となり、エネルギー事業が5400億円(3200億円)、石油・天然ガス開発事業が3900億円(2800億円)、金属事業が3000億円(2200億円)、その他700億円(100億円)となっている。