日刊ニュース

2013.04.04 のニュース

ガソリン、C重油の減販目立つ-前年増販の反動、冷静な対応を-

 2月~3月の燃料油販売は減販が目立ってきた。確かに統計上の数字でみると大幅な減販となっているが、昨年は閏年のため2月は日数が1日多かったこと、今年3月は日曜日が5日あり前年の4日に比べ出荷日(営業日)が少ないなどの点を対比する必要もある。現状をよく分析して、冷静な対応が求められる。
 このところの動向をみると、平成24年の1年間の販売、燃料油全体では3・5%増となり、うちガソリンは0・4%、灯油は2・8%、軽油は2・3%、C重油は37%の各増となった。A重油、ジェット燃料油は減少となったが、C重油の大幅な増加が全体をプラスに押し上げた。
 しかし、今年に入り1月の販売、前年同期比で1・2%の微増となり、ガソリンは2・7%減と減販の傾向をみせていた。2月の燃料油の販売は1739万㌔㍑で、前年同月比7%の大幅な減少となった。これまでは、原発事故の影響で電力用C重油の増販が続いたが、2月はC重油も9・3%の減販となった。閏年分を調整しても3%の減販となるはずであるが、7%の減販は想定外の大幅な減少となる。
 2月の販売数量を油種別にみると軒並み減少となった。ガソリンは423万㌔㍑(昨年は453万㌔㍑)で6・7%、灯油は286万㌔㍑で13%、軽油は278万㌔㍑で0・9%、C重油が232万㌔㍑で9・3%の各減少となった。4ヵ月ぶりのマイナスとなったが、ここでも昨年の閏年の1日分減(3・5%)を調整しても減少幅が大きい。一方、昨年の2月販売は全体で7・3%増、そのうち灯油は12%の増加、ガソリンも3・7%増となっており、閏年による日数増だけではなく、新車販売の増加、冬場の低温が影響して増販となった。今年はそれらの反動が今年2月に出たことによって、統計上の数字では減販となった。
2月の販売減を受けて、経年的な販売数量の減少が浸透してきたと懸念する見方も出てきた。3月販売の見込みも減販となり、ガソリンが3%減、灯油が14%減、A重油が7%減、電力用C重油が10%減、一般用C重油が5%減と、各油種でマイナスが続くこととなる。ここでも今年の3月は日曜日が1日多く、出荷日(営業日)が少ないことが影響する。
 これまではガソリン、中間留分が微増か横ばい、C重油は増販となり、燃料油全体では増販で推移していた。だが、電力用C重油販売は、原発事故による稼働停止によって石油、LNG火力にシフトが進んだが、その影響が一巡したため2月は減販となり、増販も頭打ちとなってきた。加えて、節電が消費者に浸透していることによって電力需要が伸び悩んでおり、電力用C重油の需要が減少している。
 ガソリンは、昨年12月は2・3%減、今年1月が2・7%減と連続しての減少となり、2月は6・7%減、3月は3%減が見込まれているなど減少傾向が続いている。昨年までは、微増か横ばいで推移していたが、今年に入り減販が目立ってきた。省燃費車の普及と、このところのガソリン価格に対する高値感からの節約志向の浸透が要因としてあげられるが、販売業者の中には減販への対応策として安値販売を始める業者も出てきており、価格競争が展開されることで市況が下落してきた。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
〒112-0004 東京都文京区後楽2丁目22-3
TEL:03-3814-4728
FAX:03-3814-4745
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE