日刊ニュース

2013.04.04 のニュース

ガソリン市況は混迷 仕切小幅上げも末端下落~カード割引き目立つ~

3月のガソリン仕切価格は、平均で10銭(出光興産)から40銭(JX日鉱日石エネルギー、昭和シェル石油)の小幅な値上げとなっている。その逆に、末端市況は大幅な値下がりとなり、販売業者はマージンが減少して、赤字経営となっている。3月の仕切価格は、2日から値上げ、9日から据え置き、16日から値上げ、23日、30日から据え置き、もしくは小幅な変動で推移した。一方、街道沿いのSSの末端市況は4円~5円/㍑の値下がりをみせている。堅調地区では、まだ150円台を維持しているが、販売減から価格競争が表面化している。現在、現金価格とカード会員価格との間に3円程度の価格差が生じており、カード会員を囲い込むための会員割引きキャンペーンが行なわれている。
 現在、ガソリン末端市況は下落しているが、仕切価格は平均で10銭~40銭の値上げとなっている。
 このところガソリン価格は高値の150円台/㍑が続いていたため、ユーザーの買い控えもあって減販となり、販売業者には大問題となっている。
 仕切価格は小幅な変動となっているが、これが一気に値下げ局面となると、これまでの反動によって、大幅な値崩れが末端市況に生じる可能性がある。
 一方、元売はカード会員の固定化に取り組み、ユーザーへの囲い込み強化がますます目立ってきた。現行の看板価格(現金価格)に対して、会員には「3円割引き」が当たり前となり、値下げ局面となれば、大々的に大胆な割引き価格を打ち出してくる。
 実際、仕切価格が136円~137円の場合、消費税を加算して144円~145円となり、販売業者はマージン10円を乗せて、155円程度の価格となる。
 これが、150円割れとなっている安価地区での販売価格147円の場合、仕切価格とほぼ同値となり、全くマージンを確保することが出来ず、販売業者は赤字必至となる。
 元売の3月期決算は、原油高、円安によって業績が改善したため、販売業者は支援策を期待している向きもあるが、その確約がないため、健全経営が望まれるところである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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