日刊ニュース

2013.04.05 のニュース

業転と系列との価格差が再燃 市況下落で系列SSはマージン減

ガソリン市況が下落局面となり、業転市況と系列仕切価格との価格差問題が再燃してきた。この価格差問題は、量販店、HCの安値攻勢と系列SSとの販売価格差に発展しており、系列販売業者からは反発が強まっている。
業転市況と系列仕切価格との価格差は5円以上となっていることが石商などの調査で判明している。ガソリンの系列仕切価格は136円~137円/㍑、業転は130円~132円、先物は76円(ガソリン税込みでは約130円)となっている。業転市況は、下落傾向をみせており、価格差は、なお拡大している。一方、3月の系列仕切価格の平均は10銭~40銭/㍑の小幅な値上げとなっており、みずほ総合研究所の調査価格は全国平均が156円となっているが、首都圏の街道沿いSSでは150円割れが多くなっており、マージンの減少により経営難となっている。量販店、HCは140円の前半であり、系列の仕切価格は消費税を加算すると144円となるため、系列仕切価格と同値かそれ以下での販売となっており、同じ土俵での勝負にはならないとの声が出ている。
量販店、HCは、薄利多売の販売方式で対応しているため、マージンは5円で経営が可能となるが、系列SSは10円以上のマージンが必要とされており、その差は5円となる。また、量販店、HCの仕入れは業転を購入するため、5円は安いことから販売価格を10円安くしても経営が可能となる。結果的には、10円以上の価格差となり、ユーザーは安いHCで給油することになる。
ガソリン販売価格が150円台の高値となると、ユーザーは安値を求めるため、量販店、HCが優位となり、小規模な系列SSは価格競争に敗れて、廃業に追い込まれることになる。ガソリン需要の減少が続いているため、需給は緩和傾向となり、業転市況は下落している。その結果、仕入価格に格差が生じて、系列SSは、ますます不利な立場となる。
この価格差問題は、石商、全石連で議論され、元売、資源エネルギー庁、公正取引委員会、自民党などに陳情しているが、解決策は見当たらない。過去にも、再三、陳情しているが、価格問題(安値)に行政が介入することは不可能であるため、平行線となっている。
元売サイドはかつて、価格決定方式を模索していた。月決めから週決め方式に変更、先物、業転市況連動方式を導入したが、赤字が改善されないため見直されることとなった。その結果、業転市況連動ではあるが、原油価格、他社の動向などを登高に判断し、これにブランド料(販売管理費)などを加算した新・新体系に移行した。さらに週中での値決めを導入することで市況実態を反映した価格体系となった。その結果、元売サイドの業績は改善され、業績は黒字となっている。
販売業者からは「元売はマージンが確保されて黒字となっているが、我々は、市況下落でマージンが減少、赤字が続き経営難となっている。公正な競争ができるよう業転と仕切価格との価格差を是正すべきである」との要望が出ている。減販傾向で需給が緩和、業転市況が先行して値下がりすることで、末端市況が下落するという悪循環によって、系列SSは窮地に立たされることとなる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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