日刊ニュース

2013.07.29 のニュース

業転は取り扱いルール策定を-仕切値、構成要素の説明など改善策示す-

 公正取引委員会は、「ガソリンの取引に関する調査」の最終報告を発表したが、6月に提示された中間報告に比べると明解な方針を示し、改善策を求めている。この公取委の調査は、前回が平成17年7月の公表となっており、ガソリン仕切価格の決定方式が週決めになるなど大幅な変更もあり、改めて流通実態を把握するため実施したものである。
 販売業界からは、①仕切価格が系列内でも価格差がある、②系列仕切価格が一方的な通告であり、コストの中身が不明確である、③仕切価格と業転との価格差が拡大しており縮小すべきである、④販売関連コスト(ブランド料)が高いなど、不公正な取引きが多いとの反発が出ているが、実態調査を機に改善を求めていた。
 系列内の仕切価格差については、取引き数量などによる格差もあるが、地域価格差を見ると最大で6円90銭の開きがある。また、価格フォーミュラの内容(販売関連コストなど)の開示を受けていないとの回答は約50%と多い。
 これに対して報告では「元売は、一定フォーミュラで決めている場合には特約店に対し、仕切価格だけでなく、各構成要素の額を請求書に明記する必要がある」また、「構成要素を見直す場合は一方的に通知するのではなく、交渉の機会を設けて一般特約店の意見に耳を傾ける必要がある」と指摘している。元売サイドは、その都度説明していると主張するが、販売業者にとっては説明不足となっている。個々の商取引きの問題であり、利害が対立するため調整は難しいところであるが' 今後、意見を聴く場を設けることになる。
 販売関連コスト(ブランド料)については「3円~4円/リットルを元売に支払っているが、その算出根拠が不明である」との不満が出ている。そのため「元売が一方的に通告するのではなく、その額の決まり方について疑義が生じないよう、また、特約店の理解を得るため、説明・意見交換を定期的に行なうことが必要である」と同様に意見調整を求めている。
 特約店の業転玉の取扱いについては「系列特約店における業転玉の購入・販売を制限していることが、認められた」としており「業転玉の取り扱いを一律に制限・禁止するのではなく、系列特約店の意見を踏まえ、系列特約店との間で一定のルールを策定する必要がある」とルール作りを求めている。
 業転と系列仕切価格との価格差問題については、系列仕切価格のほうが3円80銭高いとの調査結果を公表しているが、価格差問題にはふれていない。業転の購入となると、商標権の問題となり、元売としては品質保障のブランドが消費者保護の立場にあるとして業転の購入を認めていない。元売マークの下での業転玉の販売を認めないことは、独占禁止法上では問題ないとされている。
 結果的には、①仕切価格の設定には情報開示や交渉が行なわれていない、②元売は商社などには安価な業転を販売しているが、特約店に業転の購入・販売を制限しているなどの点は、不適切と認めて元売の改善を求め、厳正に対処するとしている。今後については「事業所管省庁にあっても、流通市場における公平な競争環境の整備という観点から、まずは関係者間での適切な対応を促す必要がある」とまとめている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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