日刊ニュース

2010.10.06 のニュース

新規会員確保で割引き ―市況対策に水を差す心配も―

元売各社は10月からカードキャンペーン、新オイルの増販キャンペーンを展開する。今年の夏場は猛暑でガソリンは増販となり、市況も安定して推移したため・元売、販売業者ともマージンを確保したが、引続き秋の行楽シーズンに期待している。そのためには新規のカード会員を確保することになり、加入者に対してガソリン、軽油の販売価格を割引きすることでカード客を囲い込み、SSの増販に結びつけることを狙っている。その結果、新規に加入したカード客に対しては、数量に制限を設けているが、大幅に割り引き販売する。ここにきて原油価格が値上がり、10月からガソリン市況対策に取り組むことになるが、カードキャンペーンの割引き販売で水を差すのではないかと心配されている。末端市況は小幅であるが5月から連続して値下がりしており、これから安値を底上げすることにしているため、カードキャンペーンに対しては販売業者からも反発が出ている。
 元売のカードキャンペーンは、SSにとっても新規カード会員を増やすことに
なり、増販策としては販売業者も好材料となる。新規カード客の割引き分は元売、カード会社の負担であるためマイナス面は無く、販売業者には歓迎するむきもあり、キャンペーンには賛同して新規カード客の確保に取り組んでいるのが実態である。
 しかし、割引き価格がユーザーに大会的に伝えられ、通常の販売価格の値下げ材料になるのと、市況是正に水を差すことになる。結果的には安値販売を奨めることになり、石商サイドは、割引き販売となるカードキャンペーンの中止を要請しているが、各社とも競争して実施している。
 元売は適正マージンの確保を販売業者に要請しているが、一方でカード客を確保するには、安値の割引き販売を実践していることになり、矛盾するとの反発が販売業者から出ている。
 一方、新オイルは、APIが「NS」、ILSACが「GF‐5」という新規格を設定、これに適合するためのオイルを各社が開発、発売することになった。10~12月で出揃うことになり、各社とも新発売を機に増販を狙ってキャンペーンを展開する。
 新オイルの販売は、値下げすることはなく、ガソリンを給油するユーザーをSSに取り戻すことになる。SSでのオイルは割り高であるとしてカー用品店などに逃げ、SS離れしているユーザーに販売するチャンスが到来したことになる。新オイルの販売を機にSSでのオイル販売を見直すべきである。

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