2014.05.21 のニュース
-新体系への移行を前に-ガソリン ボトム165円相場へ 底値引き上げに再挑戦
販売業者は、6月からの新価格体系の導入を前にして、ガソリン市況の立て直しに取り組んでいる。仕切価格の改定は17日からも据え置きとなっており、再度、街道沿いではボトム価格165円/リットルを狙って市況対策に取り組んでいる。業転市況が値上がり基調で推移しており、安値は底上げとなり165円相場が浸透しつつある。新体系は、現行の業転リンクから原油CIF価格、海外市況を参考にコストを加味したものとなるが、そのため現在コスト割れの仕切価格は底上げされるため値上げが見込まれている。その前に安値市況を底固めする動きが出てきたものである。新体系の方針は明らかになっていないが①スタート時に直ちに仕切価格を値上げするのか、②当面は様子をみながら徐々に値上げするのか、③値下がり局面で据え置きとして調整する、などの様々な憶測が流れている。だが、結果的にはコスト連動方式に変更となるため、仕切価格は底上げとなる。今後の原油価格の動向をみながら元売各社の出方を待つことになるが、5月末までにはマージンを確保できる水準まで市況を立て直すことが急務となる。
石油各社の石油事業の3月決算は、在庫評価益を除くと大幅な赤字となっている。とくに1~3月では赤字幅が拡大したことで危機感を強めており、赤字解消を狙って6月から新価格体系を導入する。その前に5月末までには市況の立て直しを図ることになる。
赤字となった要因は、現行の業転リンクの仕切価格では業転安の影響でコストが回収できないことにある。そのため原油コスト分を回収できるように体系を変更することになる。
石油各社の石油事業の3月決算は、在庫評価益を除くと大幅な赤字となっている。とくに1~3月では赤字幅が拡大したことで危機感を強めており、赤字解消を狙って6月から新価格体系を導入する。その前に5月末までには市況の立て直しを図ることになる。
赤字となった要因は、現行の業転リンクの仕切価格では業転安の影響でコストが回収できないことにある。そのため原油コスト分を回収できるように体系を変更することになる。
新体系となる原油コスト連動方式は、以前にも実施していたものである。現行の週決めの業転連動方式は2008年10月から導入され、その後に見直しが行なわれたが、それ以前には月決め方式として実施していたもので、今回復活することになる。
週決めのコスト連動方式となるため、実施日の前週のコスト変動(原油CIF価格が対象)が対象となるが、どの数値を使うのか、また、海外市況、他社の動向など総合的に判断して打ち出すとしているため、予想は難しく販売業者も戸惑いをみせている。そのため実際に方針が出た時点で対応することになる。
以前の1ヵ月単位の月決めコスト連動方式では、足元の原油価格の変動には対応できず、元売が不利益となるため変更したもので、値上がりが見込まれれば、月末の買い溜めが発生し、逆に値下がりが見込まれれば、買い控えとなる。コスト変動が激しい状況が続くとコスト増が転嫁できず、結果、元売が利益を失うこととなった。
そのため、2008年から市況動向を即反映させる週決めの業転リンクに変更した。だが、業転リンクでは、仕切価格が低位となりコストが回収できず赤字となったため、2010年からブランド料(販売管理費)4~5円/リットルを加算した。その結果、元売の業績は回復したが、仕切価格と業転との価格差問題が発生した。
これに対し、全石連からは公正は取引きを求めて議員立法の要望が出ている。さらに、昨年は業転安が定着したためコスト割れから元売の決算が赤字となった。これらの要因によってコスト連動方式へと変更となるが、仕切価格と業転との価格を解消するためには業転市況の値上がりが前提となるため、今後の業転市況の動向が注目される。