2014.05.22 のニュース
中核SSの機能強化、災害訓練も系列BCPの整備を急ぐ
総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会(第6回)・石油・天然ガス小委(第4回)の合同会議が19日に開催された。前回4月28日に石油・天然ガス小委を開催しており、今回は合同委であったため報告を兼ねており。重複した項目もあったが、問題点をより詰めたものとなった。
エネルギー基本計画で提示された石油・LPG・天然ガスなどの政策提言を掘り下げて審議し、来年度の新政策、予算要求に織り込むため夏頃にとりまとめることになっている。
今回は石油・LPGなどの緊急時供給体制の課題(備蓄、BCP、強靭化対策、中核SSなど)を中心に審議した。
石油備蓄政策では、前回に続き、現在実施している「国家備蓄・民間備蓄・産油国共同備蓄」の役割分担を整理して取り組む。うち、「産油国共同備蓄」は、エネルギー基本法でも「第3の備蓄」と位置付けており、推進の方向となっている。国家備蓄はメリハリのある設備投資、輸送能力の確保一放出訓練など推進、巨額の費用を要するため管理業務の効率化、契約形態の透明化など、コストと効果を求めることとなる。今後は内需が減少する中で、維持すべき備蓄総量を検討することになる。国家備蓄は5000万キロリットル体制を確保しており、これ以上の積み増しを行なうか否かの方針を決める。さらに、アジアーワイドでの共同備蓄構想を推進することになる。
LPG備蓄については、国家備蓄150万トン体制が確保されることになり、これを機に民間備蓄量の引き下げ要望が出されている。
緊急時供給体制の確立では、系列BCP(業務継続計画)の整備とレベルアップが求められる。エネルギー基本法でも「大規模災害時にあって、石油産業(精製・元売)は、各系列供給網全体で、供給業務の継続・復旧目標を定め、製油所から物流プロセス、SSに至る系列BCPを確立し、その格付けを定期的に行なう」としているもので、これらの問題点を詰めることになる。元売には、災害対策基本法上の位置付けがなく、ローリーの緊急車両の事前登録、無線の使用許可が与えられていない。これらの現状をどう考えるのかなど問題点も残っている。
中核SSは全国で1674SSが整備されているが、その機能強化策として①緊急車両に優先給油を担保するための在庫を確保する必要があるのではないか、②元売から中核SSに対して優先的な供給が担保されることが必要ではないか、③災害時に有効に機能するための災害訓練を継続的に実施する必要があるなどの問題点を指摘している。
さらには、①石商と自治体との災害協定の充実、②消防法などの関連法令の見直しの検討、③地域の防災施設としてのSSの位置付け、自治体との防災意識の共有、④災害時におけるSSの災害状況・在庫情報、配送状況のあり方などの検討を行なうことになる。
系列BCPの復誦としては、早期供給を回復させるためには①元売本社の需給調整機能、ローリー配車。②製油所・油槽所の出荷供給機能、③運送会社、特約店・系列SSの物流・販売機能の早期回復を一体に進めること、などの対応策をあげている。これらの問題点を解決するための予算措置を求めることになる。