日刊ニュース

2010.10.28 のニュース

SS網でHVメンテ呼び込もう

昨年5~今年9月までの17ヵ月間、トップセールスを続けているプリウスが大躍進する前は、ホンダフィットが軽自動車に勝る燃費性能を備えたコンパクト登録車のナンバーワンだった。そのフィットに、マイナーチェンジでHVがラインナップされた。コンセプトは「みんなのHV」。事前予約の1.4万台中、HVシェアは約7割。10月8日の発売後約2週間でも、2.1万台中の71%を占める人気ぶりだ。
 ホンダは当初、HV登場を待ち望んでいたユーザーの購買行動が一段落すればHVシェア4割程度になると見込んでいたが、国内営業本部長は5割程度に高まるかもしれないとの見方を示した。いまのところ、旧型フィットからの買い換えが4割と圧倒的だが、プリウスも一部含まれているという。HVがどんどん普通のクルマになる。カーディーラーの営業マンがユーザーからよく聞く実用燃費向上を最も感じる場面が、SSでの給油頻度や給油量の減少だそうだ。SSもそう実感している。
 店頭ではHV来店が一般化した。HV講習会は地域を間わず盛況で、真剣な眼差しで実技講習に臨むSSマンの姿は、実に頼もしい。その成果をわが社に持ち帰って共有しようとする姿勢が見える。講師からは、メーカー推奨のメンテナンスサイクルを鵜呑みにしたがために「ひどい状態」になっているケースが少なくないとも聞いた。また、HVは手を出しにくいと思うが、EVへの橋渡し役がHV。HVは無理なんてことを言っていたら、先について行けない。“時代を整備”するチャレンジ精神と力を付けてほしい。実務経験を積み重ねるために、HVを借りてでも納得いくまで練習すべき。こう研修を締め括った講師の言葉は胸に残った。一部には、HV研修受講済みとアピールしたり、HVの点検・整備を呼び込む看板を掲げるSSも登場している。HVの心臓部を整備するわけではないから、SSも整備工場もスタートラインは同じ。カーディーラーだって、全店が万能ではない。
 HVといえども、安心走行チェックは欠かせない。他方、磁石モーターに使用されるレアアースの安定的確保という厄介事もあるし、バッテリー性能も発展途上。新技術が登場しても、HVをすぐ買い換える経済環境にはないから、しっかりとHVメンテを体得しておきたい。SS業界挙げて、HVを呼び込もう。

ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE