2010.11.01 のニュース
灯油在庫300万KL割れ続く 関東地域早い冷え込み ―様相が変わり需給はタイト―
ガソリン、灯油の在庫は、依然として低位で推移している。石連週報(23日時点)によると、ガソリンの在庫は198万KLで、前週に比べると6万KL増となったが、前年に比べると12万KL減となっている。200万KLを割る低水準である。灯油は288万KLで、前週に比べると11万KLが積み増しとなったが、前年に比べると40万KL減となっている。10月末で300万KLを下回っているもので、300万KL台に乗せるのは11月になりそうである。26日からは、北海道、東北、関東地域で冷え込み、灯油の荷動きが活発化しそうである。とくに大消費地の関東が予想以上に早い冷え込みとなっているため、灯油商戦は様相が変わりそうである。過去は、10月末の在庫がピークであったが、今年は11月に若干の積み増しをするようである。
灯油の在庫は、昨年も前年に比べて大幅な減少であったが、今年は、それをさらに下回っている。昨年(10月24日時点)は320KLで、その前の年に比べると大幅な減少となり、一時は供給不足が心配されたが、寒波の到来が遅れて、問題なく経過した。
そのためか、今年は夏場から、各社は低在庫で対応している。現時点では、前年に比べて40万KLも下回っている。もちろん、今冬の灯油販売はマイナスが続くという見方で対応しているが、ここにきて冷え込みが厳しくなり、このままの状況で推移すると様変りとなる。
関東地域は、年末並みの気温に下がっているため、暖房用の灯油のストーブを使用する時期が早まりそうである。在庫が低いのに、荷動きが活発化することになれば、需給は一段とタイトになる。
今年は大手の販売業者、商社サイドも、夏場で在直の積み増しが遅れており、元売、流通の在庫も低い水準にある。そのため、寒波が早まれば、灯油シーズンのスタートから、適正マージンでの値取りができそうである。
一方、ガソリンの在庫は200万KL割れが続いているため、業転玉が出回ることはなく、業転市況は安定している。10月のユーザー転嫁は遅れているが、原油値上がりも為替が円高で推移しているため、価格は足踏み状況となってきたようである。