2010.11.08 のニュース
全国一丸でタンク支援の実現を
全国の石油販売業者のいま最も大きな希望は、工ネ庁が来年度予算として8月の概算要求で求めた「地下タンク漏洩防止規制対応推進事業」の確実な実施だ。
埋設してから前年、50年経過した地下タンクに漏洩防止対策が義務付けられるが、その際に「規制強化に伴う中小SS事業者の激変緩和措置」として国が支援するものである。
設置年数が概ね50年以上の直接地下埋設の1重殻タンクに対しては内面補強のためのFRPライニング措置か、外面の腐食防止のための電気防食システムの設置が義務付けられる。前年以上の同様の地下タンクには、漏洩を早期に検知するための高精度油面計を設置することが求められる。
埋設年数を限らなければ、直接、地面に埋設した1重殻のタンクを抱えているSSは全体の7割に達するともいわれる。なにも対応を施さなければ、地場で長年にわたりSS経営を続けてきた事業者の多くがいずれ義務付けの対象になるのである。その際に、SS事業者が直面するのは、措置を講じるための巨額の設備投資資金という現実だ。厳しい経営を余儀なくされているSS事業者は、この義務付け案が公表された今春以降、経営を継続するかどうかの決断を迫られていた。
この危機に対し全石連と油政連は、経産省の政務三役や与党に繰り返し強く訴え、石油諸税の実質徴税の貢献や公共的なインフラとしてのSSの役割なども強調した。その結果、支援予算案が政府・与党の了承を経て提案されたのである。
アンケートによると予算案に補肋制度が盛り込まれたことを機に「混洩防止対策を実施してSS経営を継続する」と答えた組合員が、今年4月に実施時よりも2割以上増加し全体の6割近くに達した。業界の、この支援制度の確実な実施への期待の高さを証明するものである。
いま、全国の石油組合と油政連の役員や事務局は、この組合員の期待に応えるために、「消防法規制強化に伴う地下タンク漏洩防止対策支援制度の実現」を最大の要望項目として、それぞれ地元の政治組織に訴えている。与党県連に要望書を提出したり、帰省した選出国会議員に面会して、業界のこの危機を説明し支援策への理解を求めている。今後はさらに全国の組合員がー丸となってこの運動を支える必要がある。