2010.11.08 のニュース
灯油在庫は取り崩しへ 300万KL割れ続く ―積み増しは遅れる―
石連週報(10月30日)によると、灯油在庫は280万KLで前週に比べ8万KLの取り崩しとなり、前年に比べると約20万KL下回っている。300万KLを割り込んでおり、24日~30日の生産は33万KLで前週の30万KLに比べ3万KLの増産となったが、販売増によって在庫を取り崩したことになる。10月下旬からの冷え込みで荷動きが活発化しているもので、ピークの11月末には300万KL乗せを狙っているが、積み増しが遅れているようであり、需給はタイトで推移している。ガソリンは201万KLで4万KLの積み増しとなり、200万KL台に乗った。200万KL前後が適正在庫とみられており、需給も安定している。
灯油の在庫は300万KLを下回っている。前週から8万KLを取り崩している。本来、積み増しをはかる時期であるが、冷え込みで出荷増となった。原油処理量もアップ、稼働率も73.9%で増産対応となった。
昨年11月末の灯油在庫は330万KL程度に引き上げており、その後は在庫を取り崩したが、今年は冷え込みが早く、販売増となり、現在の低水準で本格的なシーズン入りとなる。
灯油の販売は、電力、ガスヘの燃料転換で減販を見込んでいるが、今後の冷え込み次第で、販売は大きく変動する。今年は流通在庫も少ないとみられているため、本格的な寒波が到来すると供給不足も予想される。その場合は、増産、輸入増で対応するとして、今のところ低水準で需要期を乗り切る構えとなっている。
ガソリンは、7~9月には猛暑で増販となったが、10月以降は販売も落ち込み
気味である。そのためか、10月のユーザー転嫁も難しい状況となっている。
原油価格(WTI)は80ドル/バーレル台に乗せ、85ドルに接近しているが、為替が80~81円/ドル台の円高で推移していることもあり、コストは変わらず、ユーザー転嫁は難しくなっている。