日刊ニュース

2010.11.09 のニュース

原油高騰 状況が急変 円高分を上回るコスト高 ―東工取・先物は値上がり―

原油価格(WTI)が連続して値上がりをみせている。4日には86.49ドル/バーレルで前日に比べ1.8ドルの値上がり、4日連続しての値上がりとなったもので、4日間で5ドルの上昇となっている。10月に入って80ドル台に乗せ、82~83ドルで推移していたが、11月に入って一段と値上がりをみせているもの。為替が80~81円/ドルで推移しているため、原油上昇分は円高で相殺されているが、87ドルから90ドルへと値上がりすればコスト高となってくる。原油の上昇で東工取の先物は53~54円、灯油は55~56円へと、11月初めに比べると2~3円値上がりをみせてきた。一方、ガソリン市況は石油情報センター調査では132円30銭/Lで横ばいとなっており、様子待ちの状態にある。10月のユーザー転嫁が見送りとなった直後での原油値上がりで販売業者も戸惑いをみせている。
 原油価格(WTI)は一気に86ドル/バーレル台へと値上りをみせている。85ドルを超えたため、90ドル超えも予想されてきた。
 4月6日に86.84ドルとなり、今年の最高値となったが、その後は下落して8月末には71ドル台まで値下がりしていた。
 10月には80ドルを超え、11月に入ってからは82ドルとなったが、その後は一気に5ドル以上も急騰し、4日連続の値上がりで86ドル台となった。
 一方、為替が8O~81円/ドルとなり、円高で推移しているため、原油の値上がり分も相殺されることになった。
 その流れを受けて、10月の仕切価格は1円強/Lの値上がりとなったものの、ユーザー転嫁は足踏み状態となっている。
 末端市況は、石油情報センターの週動向調査では、5月からの連続値下がり132.1円の底値(10月12日現在)から反発して値上がりしたが、その後は2週間でわずか0.2円の値上がりにとどまっている。
 今後の原油動向によるが、値上がりが続けば、再度、仕切価格の値上がり、ユーザー転嫁に取り組むという状況となってくる。10月のユーザー転嫁が見送りとなりそうな状況で、原油価格が値上がりに転じていることから、販売業者の取組みも微妙となってくる。

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