日刊ニュース

2010.11.15 のニュース

系列SS半減、PB倍増の15年

採算を無視した低い価格で商品を投げ売りすること。不当廉売。外国市場を確保するため、国内価格よりも低い価格で商品を外国へ販売すること・・・。ダンピングという字句を辞書で引くと、このように解説されている。これを元売と系列SSとの取引に引用すると、ダンピングという字句は、そのまま業転、外販、系列外と同義になるだろう。
 業転を必要悪とする識者の解説は以下のようになる。全国津々浦々へ常時、安定供給を行おうとする場合、少しばかり強めの圧力をかける=多めの量を供給しないと、支障をきたす恐れが強まる。100の需要に対して、102程度の供給力が必要ということになる。我々が供給過剰に対して抱くイメージは、ほぼこのようになる。ところが、100の需要に対して102を供給し続ければ、どうなるか。まず間違いなく優勝劣敗が起こる。この場合の「優」とは割安であり、「劣」とは割高という意味となる。
 縮減傾向にあるとはいえ、5800万KLの年間内需は日量16万KL弱であり、これを在庫できるタンクの多くは、圧倒的に元売の側に所属する。そのタンク残量の多寡が、ダンピングの幅の大小=系列高・業転安の値幅を左右する。多寡の市場判定は、実はかなり小さな数量の変化が基礎となっているように見える。身の丈に合った需給を元売が行うことは、そんなに難易度は高くないのではないか、という疑間がわく。
 元売系列SSの総数は9月末に8万ヵ所を割った。ぜんせきが把握している現8元売系列のピークは95年3月末の約5万6千ヵ所だった。この当時のPBは約3千ヵ所と想定できる。
 この3月末に4万ヵ所だった登録SS数に、元売系列SSと同率の減少率を適用すると、9月末の登録SS数は3万9千台となる。系列と登録の差は9千ヵ所を超える。ここからJAを差し引くと6~7千がPBとなり、実はPBはJXに次ぐSSシェアを有することになる。
 系列SSが、自身の系列元売が行うダンピング販売に対して、度量が大き過ぎた歴史が見て取れる。PBの価格優位性が永久不滅となり、ブランド料がー段とかさ上げされた系列仕切りが、その象徴ではないか。昨日も今日も明日も、多量のダンピング玉が系列SSの前を素通りし、PBに向かう。

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