日刊ニュース

2010.11.15 のニュース

原油高 仕切値上げへ 先物ガソリン54円、灯油57円 ―ユーザー転嫁を準備―

 原油価格は、WTIが87ドル/バーレル、中東産は85ドル台へと高騰を続けており、仕切価格は値上がりが必至となってきた。10月の月平均は、WTIが82ドル、中東産は80ドルであったため、比較すると5ドル程度の値上がりとなる。為替は円高であるが、81円/ドル程度で推移している。東工取の先物は、ガソリンが54円/L、灯油は57円へと値上がりをみせている。業転市況も連動して値上がりをみせているため、仕切価格は値上がりとなる。一方、ガソリンの末端市況は横ばいで推移しているため、近くユーザー転嫁に取り組むことになる。石油情報センターの週動向調査では、10月から132円/L(全国平均)で、11月8日まで横ばいで推移している。
 原油価格は高騰している。その要因は、金融緩和で金などの商品市場に資金が流れ、さらに原油市場にも向かうとの見方もあり、90ドル説も出てきた。アメリカでは、株・金相場などが上昇、これに原油も連動するのではないかと、警戒する見方もあったが、現実にWTIは87ドルに乗せてきた。
 原油価格の見通しは難しいが、90ドルを超えると、100ドルを超えた08年の急騰が思い出される。しかし、最近の値動きは、かつてのような地政学的なリスクではなく、金融商品としての値上がりである。
 国内の市況は、為替が0~81円/ドルという円高で推移しているため、原油高を吸収していたが、原油が85ドルを突破すると、仕切価格の値上がりとなる。ただ、ガソリンの末端市況は、10月のユーザー転嫁が見送りとなり、横ばいが続いているため、値上げに踏み切るタイミングが難しくなっている。業転市況が値上がりに転じれば、仕切価格も値上がりとなるが、現在は灯油が先行して値上がりとなりそうである。
 灯油は寒波の到来が早まったため、荷動きも活発化していることもあり、先吻は値上がりしている。灯油は57円で、ガソリンの54円を上回っているが、末端市況も、灯油が先行して値上がりしそうである。

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