日刊ニュース

2015.02.17 のニュース

予想外の大幅値上げで戸惑も 即転嫁に取組むが足並みが心配

 ガソリン市況は、値下がりが続いたが、ようやく値上がりとなる。石油情報センターの調査価格(9日)は、平均で133円50銭となり前週に比べ80銭の値下がり、29週連続値下がりとなったが、今回は、仕切価格が5円の値上がりとなったため、次週(19日)調査では値上がりが見込まれる。
 今回は仕切価格が5円/リットルという大幅の値上げとなったのと、2月入りで2~3円の値上げを実施しており、累計では7~8円の値上がりとなっているため、販売業者も直ちにユーザー転嫁に取組むことになる。
 転嫁時期が遅れると販売業者のかぶりとなるため、今後の原油価格の様子をみて対応する余裕もなく、即転嫁となる。
 ただ、今までは値下がり局面が続いたため、毎週、販売業者、ユーザーによる買い控えが発生していたが、今回の値上げは、予想外となったため仮需の発生は少なかったようである。それだけに販売業者の読みが外れたようである。
 大幅な値上げを受けてユーザー転嫁に取組むことになり、街道沿いはボトム価格130円台乗せを狙っている。安値は、10円程度の値上げとなるが、一気に転嫁できるか否かは今週がヤマ場となる。
 仕切価格の値上げとユーザー転嫁の時期が通常は遅れるが、SSのタンクに値上がり前の安い在庫が残っているため、これを売り切った後で値上げとなると2~3日は遅れるが、今回は、大幅な値上げであるため販売業者もかぶることはできない。連続値下げの時では、週単位では3~4円の値下がりとなり、販売業者も混迷したが、今回の5円値上げは予想外の大幅であるため戸惑をみせている。
 原油価格は値上がりしているが、5円の値上げは予想できず、通常の計画配送ベースでオーダーを出しており、事前に買いに出ることはなく予想外れとなったようである。‘
 灯油、軽油などの大口の掛売のユーザーからみるとオーダーが1日違うだけで5円以上の値上げとなるため説得に苦慮している。ガソリンの場合は、小口の現金客、カード客が多く、掛売が少ないため問題はないが、それでも、大口の掛売となると、請求額は大幅な値上げ額となるため反発が予想される。ユーザーも値下がり時には、値下げ幅を巡って文句が出るが、値上げ時は、反発の強さは雲泥の差となる。
 ユーザーも燃料費の値下がりによって運送業などはメリットを供与している。一般家庭でも灯油の値下がりで昨年に比べると家計は助かっている。だが、反転して値上がり局面となると、当然、ユーザーから反発が強まる。
 石油業界も原油価格の急落によって石油製品が値下がり、需要の回復の兆しが出てきたため明るい見通しとなってきた。今後も販売減が続くが減少幅が縮小されるとの見通しも出てきた。昨年の夏までは原油価格が100ドル/台の高値が続き、これに消費税の増税が追打ちとなり、ガソリンは170円/リットル相場、灯油も100円を超え、ユーザーも節約に取組んだため大幅な減販となった。
 販売業者も前半は高値によるマージンの減少で減収、減益となったが、後半の値下がり局面ではマージンを確保した業者も多い。元売は、6月以降の原油価格の急落で半額となり、4~12月期の決算は、巨額な在庫評価損が発生したため大赤字となり、決算数字では明暗を分けたことになる。
 原油価格は1月では40ドル台に再下落したが、2月に入り50ドル台に乗せたため、ようやく石油製品が値上がり局面となってきたものである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
〒112-0004 東京都文京区後楽2丁目22-3
TEL:03-3814-4728
FAX:03-3814-4745
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE