2015.02.24 のニュース
低在庫が続くが価格差は拡大 値上がり局面で業転の値動きがポイント
ガソリンの元売在庫は175万キロリットル台で前年に比べて約30万キロリットル減で推移している。灯油在庫も190万キロリットル、軽油も160万キロリットルとなっており、前年に比べると約20万キロリットル減の低位で推移している。今までの見方では、在庫減少で推移しており、需給が締まりタイトな状況にあるため、業転市況も値上がりすると見られていたが、依然として業転玉は出回り、系列仕切価格との価格差が拡大している。
ここにきて、一転して値上がり局面となっており、業転との価格差が縮小することでPB、HCなどが、どの様は対応をみせるかがポイントとなる。在庫は前年に比べると大幅に減少が続いているが、販売減で推移しているため、製品需給には影響していない状況となっている。在庫は前年に比べて大幅に減少しているが、当面の需給とは関係がなく、安定供給には支障がないことを実証している。そのため、適正在庫の水準、需給取り組みの方策は大きく変化してきた。減産による需給調整の方策、適正在庫の水準も変わってきたことになる。
製品在庫の減少は、製油所の閉鎖、油槽所の閉鎖、統合などで製品タンクが減少したこともあげられる。各社とのコスト削減に取り組んでおり、そのためには在庫を少なくすることにしている。もちろん安定供給を第一に対応しているが、計画配送、大型ローリーの導入などでコストの削減に努めている。コストの削減を追求するには、低在庫を維持することになり、安定供給を優先するため在庫を多く持つのではなく、仮に不足する状況になれば、輸入、増産で対応することになっている。今までも石油業界では、供給不足が生じたケースはないため、信頼性は保たれており、今後も在庫は抑えることになる。
現在の在庫は、従来の見方をすれば、低在庫であるが、現在の水準は適正在庫となる。全体でみれば、業転ルートにも供給される数量が確保されていることになる。自由化を機に先物、業転市場が形成されており、販売業者からは、業転市況と系列仕切価格との価格差問題が常に指摘されているが、元売と販売業者との言い分が違うため平行線で終わっている。エネ庁が仲に入り販売業者と元売との協議会の場が設けられているが、この業転と仕切価格との価格差は、先物市場でも実証されるのと、調査で数値が出ても商取引であるため調整ができるため問題ではない。
最近の動きをみても、原油価格の値上がりで2月から仕切価格が急騰してきたため状況が急変してきた。
1月までは原油価格が急落したため販売価格の値下がりが続き、ガソリンの販売価格は安値は120円/リットル割れとなり、仕切価格よりも安値で販売されているとの反発は系列販売業者から出ているが、BP、HCなどシェアが拡大するなど業転玉の出回りが多くなっている。低在庫でも、結果的には、業転ルートも定着していることになる。だが、全体販売価格が値下がりしたため、安値店との価格差が縮小したことなる。
しかし、2月以降、一転して値上がり状況となってきたため、価格差が再燃しそうである。まず、系列SSが値上げして、その後、PB、HC、量販店が続くが、仕上がり段階で販売価格に価格差がつくと系列業者から反発が出るが、今週あたりがユーザー転嫁の山場を迎える。