2010.11.17 のニュース
業者はユーザー転嫁を準備 ―環境を整備して来週から実施―
元売サイドは13日からガソリンを1円/L、中間留分を1円50銭程度の値上を実施する。原油価格が高騰しており、業転市況は値上がりしてきたもので、販売業者もユーザー転嫁に取り組むための準備に入る。原油価格はWTIで10月が80ドル程度であったが、11月に入って高騰して87ドル/バーレル台に乗せている。為替が80~81円/ドルと円高で推移したため原油高が相殺されたが、ここに来て82円と円安に転じており、コスト高になってきた。仕切価格の値上げを受けて販売業者は、ユーザー転嫁に取り組むことになるが、仕切価格の値上げがガソリンで1円という小幅であるため、当分の間は様子を見守ることになりそうである。先物、業転市況が、さらに値上がりすると、仕切価格も連続して値上がりすることになり、ユーザー転嫁は環境整備を待って来週あたりから本格化することになる。ガソリンの末端市況は、10月から横ばいで推移している。
ガソリンの末端市況は、石油情報センター調査(全国平均)によると132円/Lの横ばいが9月末から続いている。原油価格の値下がりで、ガソリン市況は5月から下落が続いたが、10月で仕切価格が1円強の値上がりとなった。そのため販売業者はユーザー転嫁に取り組んだが、為替が円高に転じたため浸透せず、一部では横ばい、下げ止まりとなっている。
11月に入り、原油価格は80ドル後半で推移、90ドルに接近するという高騰が続いており、新しい局面に入った。今後の原油価格の動向が注目されるが、90ドル台に乗せると経済、社会的にも影響を与えることになり、警戒論が出てくる。特に灯油は、地方で石油業界と消費者が懇談会を開催しているが、前年に比べると低在庫であり、安定供給と価格問題が議論となっている。価格が急騰すると消費者から反発が出るが、シーズン入りした直後であり、価格は安定しているため混乱はない。
首都圏のガソリン市況は、安値の量販店は120円台に乗せているが、街道沿いは125~6円が中心値であり、大勢は130円を下回っている。そのため再度130円台乗せを狙うことになる。5月から、小幅であるが連続して値下がりしていたところであり、これから値上がりに転じることになるものの、ユーザーの反発は少なく、販売業者の足並みが揃えば達成ができそうである。今後に12月商戦を控えているため増販を狙って価格競争が展開されるとの心配はある。