日刊ニュース

2015.05.12 のニュース

原発、再エネの構成比は拡大へ 目標達成が難しいとの問題点も指摘

 2030年の電源構成が決まった。ポイントは原発と再生可能エネルギーとなるが、これをカバーするが、LNG、石炭となる。構成比でみると、石油が3%(霧災前の10年が12%)、石炭が26%(24%)、LNGが27%(27%)、再エネが22~24%(11%)、原発が22~24%(27%)となった。東日本大震災前に比べると構成比は石油と原発が減少して再生エネが増加する。足元の13年度の原発は1%、石油は15%、石炭は30%、LNGは43%、再生エネは4%となっており、30年に向けては石油が大幅に減少、原発は現在ゼロから22~24%へと増加することになる。
 原発については、政府の方針に伴い、憂篇を進めることになるが、40年廃炉との規定もあり、新設増設ができないと、原発を22~24%を確保できるのか否かも問題となる。エネルギー基本計画では「原発は、省エネ、再エネの導入、火力発電の効率化により低減させる」としている。
 現存するすべての原発が40年で運転を終了することになれば30年頃に設備容量が現在の約半分になり、40年頃には2割程度となる。
 震災前の10年間の平均が27%は2868億kWhであり、30年の20~22%は2168~2317億kWhとなる。
 原発は規制委が決めれば再稼働ができるが、最終的には地元の了解を得ないと稼働ができないため、必ずしも再稼働ができることは限らない。
 そのため原発の横成比を確保しても、地元の了解を得ることがポイントとなる。今後に再稼働することが、確約できるものではないため目標達成ができるのか問題となる。
 再稼働については、規制委が容認した原発は政府が認めることになる。だが、福井地裁は原発再稼働の中止を求める仮処分の申請に対して関電の高浜原発3、4号機の再稼働を止める仮処分決定を出した。一方、鹿児島地裁は、九電川内原発1、2号機の再稼の差止め処分請求を却下した。同じ原発でも地裁の判断が分かれるなど、その判断は電力会社の想定する基準地震動(活断層が越こし得る揺れの強さの目安)が合理性はないか、と判断したのか、不合理な点がないと判断したことになるが、裁判が続くことになり、再稼働に至るまでにはかなり時間がかかりそうである。
 再生可能エネルギーは、22~24%となっている。原発依存度を低下させるためには30%へ拡大する意見もあったが、コスト削減のため縮小となったようである。電源コストは13年でみると9.7兆円(うちFIT費用が0.5兆円)であるが、30年には9.5兆円に引き下げるとしている。うち燃料費が5.3兆円とFTI(固定買取費用)は約4兆円を占めるが、そのうち太陽光が2.3兆円と大半を占める。
 FITの15年度の賦課金は1兆3200億円(大半は太陽光で一家庭当たリ年間5700円)で14年度が約6500億円に比べると大きく増加している。即認定した数量が運転開始した場合は2.7兆円となる。
 電力料金は、震災前に比べると約30%の値上がりとなっているが、その要因はLNG、石油など燃料費の値上がりもあるが、FITによるものであり、その見直しを検討すべきとの意見が出ている。
 電力コストの負担は、最終的には国民が負担することになることになり、海外でも破綻していることが報告されている。電力料金の値上がりは電力多消費型の中小企業の経営を圧迫している。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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