日刊ニュース

2015.05.12 のニュース

最適エネ構成で石油アピール

先ごろ開催された資源エネルギー庁の新エネルギー小委員会で、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)での標準家庭の電気料金の上乗せ金額が示された。2015年度は月474円、年間5688円に決まった。14年度の2倍超に膨らむ。5月は原油価格の下落による電気料金の値下がり分を相殺し、なお値上げが実施されるなど、石油製品販売業など中小企業への負担増が懸念される状況となっている。
 FITは、再生エネの普及拡大を図るため、太陽光や風力、地熱などで発電した電気の購入を各電力会社に義務付ける制度で、電力会社は再生エネの購入費用を広く消費者や企業の電気料金に上乗せする。
 14年度の電気料金の上乗せ額は、電気の使用量が標準的な家庭で、月225円、年2700円だったが、15年度はこれが一気に2倍超に膨らむのは、太陽光の買取量が急増しているためだ。12年7月からの制度開始以来、昨年11月までに導入された再生エネのうち9割超が太陽光となっている。他の再生エネに比べ、基本的に設置する地域に制限がなく、施工期間も短いため、一般家庭を中心に導入拡大が進み、その後は大企業を中心にメガソーラーの建設ラッシュが起こった。これによって、15年度に消費者や企業が負担する賦課金総額は1兆3222億円と前年の2倍超に拡大し、初めて1兆円を突破する見込みだ。
 電気料金の値上がりは、需要減・販売競争の激化によるマージン低下による収益悪化に苦しむ石油販売業界にとって、さらに重い負担を強いることが危惧される。
 FITは、高い買取価格で買い取れば買い取るほど、国民負担が際限なく広がる悪循環に陥る危険な制度とも言える。さらに、太陽光や風力など天候や自然条件に大きく左右される再生エネの導入が進めば、大きく変動する発電量を補うバックアップ電源が必要となり、大きな設備負担も課題になってくる。
 その調整電源として大きな機能を担っているのが石油火力など化石燃料である。1つのエネルギー源だけを優遇したり、無理に普及させようとすると国民負担の増大という歪みを生む。日本は化石燃料などエネルギーの大宗を海外に依存していることも肝に銘じなければならない。エネルギーベストミックスを図るため、石油の重要性をもっとアピールしよう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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